2025年参議院選挙各分野政策
4、就職氷河期世代
政治の責任で、雇用改善と大幅賃上げ、低年金の底上げと社会保障の拡充、公営住宅の確保や新たな家賃補助制度の創設をすすめます
2025年6月
いわゆる「就職氷河期世代」の皆さんは、正規での就職機会を奪われ、長期にわたって不安定な雇用と低賃金という深刻な状況に放置されてきました。
弱肉強食・自由競争の新自由主義のもとコストカット型経済を広げ、雇用の流動化をすすめた自民党政治の最大の被害者が「就職氷河期世代」の皆さんです。当時、労働法制の改悪による非正規雇用の拡大など新自由主義の政策と正面から対決した政党は日本共産党だけでした。皆さんが直面している問題を取り除くことは政治の責任です。
政府は「就職氷河期世代支援プログラム」を実施しているといいますが、利用も少なく、このプログラムで賃金を増加させることは、容易ではありません。
不安定なキャリアによる低賃金は、今後の年金支給額にも大きな影響をあたえます。
リスキリングや就労支援の体制整備に留まらず、思い切った賃上げ、年金支給額の底上げや社会保障の充実、公営住宅の確保や新たな家賃補助制度の創設などが早急に求められています。
雇用改善と大幅賃上げを
「失われた30年」を終わらすため、政府も賃上げを言わざるを得なくなり、不十分ながらも初任給が上がり、シニア世代の定年延長や再雇用後の年収も上昇しています。その中で、いまだに取り残されているのが「就職氷河期世代」の皆さんです。正社員化をすすめるとともに、正規雇用以外で働く方への大幅賃上げも待ったなしです。
――非正規から正社員への転職を希望者される方に対し、公務の職場など条件の良い正規雇用を広げ、転職支援を拡充させます。
――最低賃金を時給1,500円、手取り月額20万円程度にすみやかに引き上げ、時給1700円をめざします。地方格差をなくし全国一律最賃制を確立します。
――国が決めている公定価格や報酬の見直しなどを行い、ケア労働者の賃金を大幅に引き上げます。
――生活できる賃金などを保障する「公契約法・条例」を制定します。
日本共産党は「非正規ワーカー待遇改善法」を提案し、正規雇用以外で働く皆さんの働き方と処遇の大幅改善を求めています。
➡詳しくは「パート、派遣、契約社員、非正規公務員、ギグワーカーの皆さんへ 明日に希望が持てる、人間らしい労働条件とジェンダー平等の働き方の実現へ」(2023年10月18日)(https://www.jcp.or.jp/web_policy/2023/10/post-968.html)をごらんください。
賃上げと一体に、労働時間の短縮をすすめます
長時間労働の是正、自由な時間の拡大は、「就職氷河期世代」の皆さんにとっても切実な要求です。条件の良い転職や資格取得にも自由な時間の確保が必要です。
――「自由時間拡大推進法」をつくり、「1日7時間、週35時間制」を実現します。
――時間外・休日労働の上限を規制し、1日2時間を超える残業割増率を50%に引き上げます。
――連続出勤・休日出勤規制を強化し、「サービス残業」の根絶をはかります。
➡詳しくは「賃上げと一体に、労働時間の短縮を 働く人の自由な時間を拡大するために力を合わせましょう」(2024年9月20日)(https://www.jcp.or.jp/web_policy/2024/09/post-987.html)をごらんください。
奨学金返済の半額免除を実現し、子どもの学費負担も減らします
奨学金の返済が「就職氷河期世代」の皆さんの重い負担となっています。日本学生支援機構が発表した『2020年学生生活調査結果 大学昼間部(速報値)』によると、奨学金返還を延滞している人のうち、50代が11%にも上り、さらにその30%強が「非正社員」、20%弱が「無職・失業中」という状況です。
加えて、親となった「就職氷河期世代」の皆さんが背負う子どもの学費負担も深刻です。
――「就職氷河期世代」の皆さんが受けた奨学金の返済の半額免除を緊急に行います。
――返還中を含め、すべての貸与奨学金を無利子にします。
――残った貸与奨学金は所得に応じた返済制度に切り替えます。
――減免制度、返済猶予、減額期間の所得制限を緩和するとともに、期間の上限を撤廃し、返済負担を大幅に軽減します。保証料・保証人制度、延滞金を廃止します。
――返済の負担を軽減しながら、20年間返済すれば残額をすべて免除します。
――学費値上げを中止し、値下げに向かわせます。高等教育の無償化をめざし、ただちに大学・短大・専門学校の授業料を国の責任で半額にします。
――他の先進国にはない入学金制度をなくします。
――奨学金は給付制中心にあらためます。
老後の不安解消へ、低年金を引上げ、社会保障を充実します
あと10年程度で、「就職氷河期世代」の皆さんの中にも、高齢期を向かえる方がでてきます。賃上げや雇用の改善と同時に、老後の生活を支える年金と社会保障の拡充も欠かせません。
――「マクロ経済スライド」をただちに撤廃し、物価や賃金の上昇にふさわしく年金を引き上げます。
――低年金の底上げや最低保障年金の導入など、「頼れる年金」にするための改革をすすめます。
――国保料を抜本的に引き下げます。
――介護のための休業の保障など、ビジネスケアラー支援策を強化します。
――現役世代の負担を軽減させるために公的介護保障を充実します。
安心して住み続けられる住宅の確保
「就職氷河期世代」の皆さんにとって、いつまでも安心して住み続けられる賃貸住宅の確保は切実です。
――家賃減税制度をあらたにつくり、家賃が所得の2割を超える人に対して、その超過分の最大15%を所得税減税します。
――家賃減税制度では十分支援ができない世帯を対象に、家賃補助制度を「月1万円、200万世帯」規模で創設し、順次拡大していきます。
――公的住宅の建設・供給を再開します。
➡詳しくは「住宅価格高騰・家賃値上げストップ 住宅費負担を軽減して、住み続けられる東京に」(2025年4月24日)(https://www.jcp.or.jp/web_policy/2025/04/post-1012.html)をごらんください。