日本共産党

しんぶん赤旗

政策

日本共産党のかかげる政策をご紹介します

2025参議院選挙 各分野の政策

1、財源提案

暮らしをまもり、格差を是正する税・財政改革を
――日本共産党の財源提案

2025年6月

税・財政の本来の役割は、「暮らしをまもり、格差を是正する」ことです。

 税・財政が果たすべき役割は、社会保障や教育をはじめ、国民の暮らしや営業をまもることと、能力に応じた税制や社会保障制度による所得の再分配で、格差の是正をはかることです。

 ところが、自公政権はこの本来の役割を投げ捨てて、まったく逆立ちした政策をすすめてきました。消費税の税収は、今年度までの累計で571兆円にものぼりますが、消費税増税とほぼ同じ期間に法人税や所得税などは地方税を含めて600兆円以上も減ってしまいました。大企業・富裕層への減税と景気悪化による減収です。消費税はその穴埋めに消えてしまったのです。消費税創設後の37年間で、国債残高は1000兆円近くも増えました。国民に大増税と負担増を押しつけながら、国の借金も増やしたのが自民党政治です。

 先進国で最悪の借金財政を支えるため、政府は日銀に国債購入を続けさせ、毎年多額の国債を発行して、財界いいなりで大企業への減税を繰り返し、アメリカいいなりで大軍拡計画を進めてきました。物価高騰の深刻化で、日銀が国債購入を縮小せざるを得なくなったもとで、国債の買い手が減り、この5月に超長期国債の金利が過去最高となるなど、多額の国債に頼った財政は、困難に直面しています。

 大企業や富裕層に巨額の減税を続け、大軍拡で軍需産業に莫大な利益をもたらす一方で、そのツケを消費税増税と暮らしの予算の削減、国債発行に回すという自民党政権の財政政策のもとで、国民生活を破壊するだけでなく、国債ビジネスを行う国内外の投機マネーに巨額の利益がもたらされています。

 いまこそ、こうした暮らしを壊し格差を拡大する税・財政のあり方を抜本的に転換することが必要です。

日本共産党の財源提案の基本的な考え方

 日本共産党の財源提案の基本的な考え方は以下のとおりです。それは、国民の切実な願いを実現する財源を生みだすとともに、「暮らしをまもり、格差を是正する」という税・財政の本来の姿を取り戻す立場にたったものです。

コロナ対策や災害対策、物価高騰への緊急策などをはじめ緊急的・時限的な財源は、国債の発行など臨機応変な対応が必要です
社会保障、教育など、一時的ではなく継続する制度を拡充するためには、税・財政構造の転換によって、持続可能な財源を確保します

 安易に借金に頼ったのでは、格差を広げる税・財政構造を温存することになります。また、多額の国債増発は、国債価格の下落=金利の急上昇をもたらしたり、激しいインフレを引き起こしたりする危険があります。住宅ローンなどの金利急騰や過酷な物価高騰で暮らしが破壊される事態は起こしてはなりません。

国民にとって積極的かつ健全な財政運営をめざします

 現在の財政状況からすれば、税・財政の改革によって、新たな財源を確保したとしても、政府の借金額それ自体は増加していくことになります。「借金を減らす」「財政赤字がたいへん」などを口実に、消費税を増税したり、社会保障を削減したりする緊縮政策を行えば、暮らしは破綻し、景気がさらに悪化して、その結果、財政危機もいっそう深刻化します。借金が多少増えても、経済が成長していけば、借金の重さは軽くなっていきます。国民の暮らしを応援する積極的な財政支出によって、健全な経済成長をはかり、そのことをつうじて借金問題も解決していく――そうした積極的かつ健全な財政運営をめざすことが必要です。

「暮らしをまもり、格差をただす」の基本原則にたって積極予算を提案します

 日本共産党の提案は、社会保障や教育、消費税減税など持続的な制度、暮らしを支え、消費と需要を創出する経済対策は25.6兆円規模、内部留保課税による中小企業の賃上げ支援や奨学金返済の半額免除などの緊急対策は20兆円規模という積極予算をすすめるという提案です(詳細は基本政策に掲載)。30年間もの長期にわたる経済の停滞・衰退、「失われた時間」の大きさからも、それを打開するには、従来型にとどまらない暮らしと経済を立て直す積極予算が必要です。

 その財源は財政の民主的改革と応能負担の税制改革、そして国債の適正な活用でまかないます。これがわが党の持続可能な税・財政改革の提案です。

 大企業・富裕層に応分の負担を求める税制改革で、国民の暮らしを支える財源をつくります――大企業・富裕層への優遇税制をただし、中小企業を除く法人税率を安倍政権以前の28%に戻し、大企業・富裕層に応分の負担を求める税制改革を行います。こうした歳入改革によって、年間16.6兆円の財源を確保します。

 暮らしも平和も破壊する大軍拡ストップ 暮らし優先の歳出改革をすすめます――歳出面では、大軍拡の中止・軍事費削減、大型開発や原発推進予算の見直し、政党助成金の廃止などで、消費税減税に伴う国と地方自治体の歳出の減少と合わせて、9兆円の財源を確保します。

 歳入・歳出改革あわせて年間25.6兆円の財源で、消費税減税、社会保障拡充、重い教育費負担の軽減、子育て支援などの施策を実行します。同時に、緊急対策として、時限的な大企業への内部留保課税による中小企業の賃上げ支援を10兆円規模で行います。奨学金の返済半減や緊急の物価高騰対策など、一時的な支出には国債増発による対応も行います。