2025 参議院選挙 基本政策
物価高騰から暮らしを守り、平和で希望が持てる新しい日本を
日本共産党2025年6月5日
末期的で危機的な自民党政治――二つのゆがみをただす日本共産党の躍進を
日本共産党は、この間、500万人の方々と対話することを目標に、要求対話・要求アンケートに取り組み、暮らしや政治へのさまざまなご意見を聞かせていただきました。国民のみなさんの切実な要求、声を政治に生かすために、この政策を掲げて参議院選挙をたたかいます。
自民党政治はいま、内外の問題にも、国民の願いにも、応えることができない末期的で危機的な状態におちいっています。
物価高騰に多くの国民が苦しんでいるのに、まったくの無為無策です。米価高騰・米不足にたいしても目先の取り繕いだけで、打開策が示せません。年金・医療・介護――社会保障があらゆる分野で危機におちいっているのに、さらに事態を悪化させる道を走っています。働く人の実質賃金は3年連続マイナスなのに、政治の責任でどうやって賃金をあげるのか、方策は何もありません。これらの根っこには、財界・大企業の利益最優先の政治のゆがみがあります。
トランプ大統領のアメリカとどう向き合うか。日本の大問題です。アメリカに言われるまま大軍拡の道をつきすすんでいいのか。不当な関税問題での要求にどう対応するのか。沖縄に米軍新基地建設を押しつけ、核兵器禁止条約に背を向ける。こんなアメリカ言いなりの政治を続けていいのかが、厳しく問われています。
日本共産党は、国民の切実な願いを実現しようとすれば、「財界中心」「アメリカ言いなり」の自民党政治の二つにメスを入れる改革が必要だと考えます。国民の切実な願いから出発しながら、この二つのゆがみにメスを入れる日本共産党を大きくすることこそ、日本の政治を良くするたしかな力です。どうか、来たるべき参議院議員選挙で、日本共産党を躍進させてください。
1、消費税の廃止をめざし、5%に緊急減税します
いま、物価高騰に苦しむ国民の声が、消費税減税を政治の熱い争点に押し上げています。国民の7割がなんらかの形での消費税減税を求めています。今こそ消費税減税のチャンスです。日本共産党は、消費税廃止をいっかんして主張してきた党として、消費税の廃止をめざし緊急に5%に減税するために全力を尽くします。
5%への減税――年12万円の減税、だれでも減税、なんでも減税に
物価高騰はあらゆる商品、公共料金やサービスに及んでいます。消費税を5%に減税すれば、平均的な勤労者世帯で年間12万円の減税になります。所得税・住民税の非課税の方も、子どもからお年寄りまで、だれでも減税になります。食料品を非課税にした場合(6万円弱)に比べても2倍の減税です。税率を一律5%にすれば、小規模事業者やフリーランスを苦しめているインボイス制度の口実もなくなり、この制度はきっぱり廃止します。日本共産党は、緊急に5%に減税し、さらに廃止をめざします。
財源をどうするかが大問題――大企業・富裕層への減税・優遇をただして財源確保
消費税減税の財源をどうするか。日本共産党は、大企業・富裕層への減税・優遇をただすことを柱に、恒常的な財源を提案しています。
政府も「効果がなかった」と認める大企業減税を見直すのは当然です……自民党政治は、消費税増税と同時に法人税減税を繰り返してきました。安倍政権以降、大企業の税引き前利益は2・6倍に増えましたが、法人税などの納税額は1・6倍にとどまっています。大企業への減税と優遇の結果です。大企業には十分すぎる税負担の能力があります。大企業への減税は年11兆円を超えていますが、賃上げにも、設備投資にも回らず、株主への配当や内部留保を増やしただけでした。石破首相も、法人税の減税は「効果がなかった」「反省する」と国会で答弁しています。大企業への減税のバラマキをやめて、暮らしにいちばん効果がある消費税減税の財源にするのは当然です。
5%への減税財源は税制改革で確保します……23・2%まで下げられた法人税率を28%に戻します(中小企業を除く)。外国子会社からの配当を実質非課税とする制度や、グループ企業の損益を通算して税を減らせるグループ通算制度、研究開発減税などの大企業優遇税制を廃止・縮減します。
富裕層への減税と優遇も改めます。所得が1億円程度を超えると逆に税負担率が下がってしまう「1億円の壁」は残されたままです。23年には、所得100億円超の超富裕層が過去最多の43人に達し、その平均所得は359億円、所得税はその16・2%しか納めていません。株取引による所得の税率が15%(住民税合わせて20%)と、低く抑えられているからです。こうした大株主優遇税制をあらためるとともに、所得税・住民税合わせた最高税率を現行の55%から65%に戻します。相続税の最高税率も55%から70%に戻します。
こうした大企業や富裕層に応分の負担を求める税制改革をすすめれば、消費税減税によって国や地方自治体の物件費にかかる消費税負担の減少分も含めて、消費税率を5%に引き下げるために必要な財源15兆円は、確保できます。
恒常的な財源を示してこそ、「社会保障財源」を口実に消費税減税を拒否する自民党を追い詰めることができます。大企業・富裕層減税に切り込めるかどうか――ここに、消費税減税が本気なのか、口先だけのものか、試金石があります。
赤字国債=借金にたよることはできません
「消費税減税は赤字国債でやればいい」と主張している党もあります。しかし、消費税減税の恒常的な財源を赤字国債=借金にたよることはできません。国債は投機マネーがひしめく金融市場で大量に売買される商品となっており、価格暴落=金利上昇のリスクにさらされています。国債が必ず売れるという保証はなく、短期間ならともかく、恒常的な減税の安定財源にはなりません。国債増発で金利が急騰すれば、住宅ローンなどの金利にも連動し、暮らしや営業を脅かします。国債の利払い費が増加すれば、暮らしの予算が圧迫されます。
さらに、国債の大量発行によって「通貨の過剰」が引き起こされ、通貨価値の下落=インフレのリスクが高まります。激しいインフレが起きれば、せっかくの消費税減税の効果も吹き飛び、暮らしがめちゃめちゃになってしまいます。これはあまりに無責任ではないでしょうか。
「消費税減税は赤字国債でやればいい」という主張をしている党の大きな問題点は、消費税減税の財源として大企業と富裕層に応分の負担を求めるという立場が欠落していることにあります。それは大企業・富裕層優遇の不公平税制の温存につながる議論と言わなければなりません。
政府は、「消費税は社会保障のため」と宣伝してきましたが、実際には、もともとの社会保障の財源だった所得税や法人税の税収が、消費税に置き換えられてきただけであり、事実上、大企業や富裕層への減税財源になっています。国債発行で消費税を減税すれば、今度は「国債を大企業や富裕層への減税の財源にする」ことになってしまいます。
2、暮らし優先の政治に変えます
(1)政治の責任で物価高騰を上回る賃上げを、労働時間の短縮を
賃上げに政治が責任を持ちます
暮らしの困難打開には物価上昇を上回る賃上げが必要です。政治の責任で賃上げを推進します。
――最低賃金を時給1500円、手取り月額20万円程度にすみやかに引き上げ、1700円をめざします。地方格差をなくし全国一律最賃制を確立します。
――賃上げのカギは労働者の7割が働く中小企業への直接支援です。社会保険料の減免や賃金助成などで中小企業の賃上げを支援します。現に、岩手、徳島、奈良、群馬県などで中小企業への直接支援を実施しており、国ができない理由はありません。
――ケア労働者の賃金を、国が決めている公定価格や報酬の見直しなどで、引き上げます。
――生涯賃金で1億円もの差がある男女賃金格差を是正して、賃金の底上げをはかります。
――官公需で働く人の賃上げなど労働条件を良くする公契約法(条例)をつくります。
――元請け大企業による下請け単価たたき、ピンハネを厳しく規制し、中小企業で働く人の賃上げを保障します。
大企業の巨額の内部留保を賃上げに
大企業の空前の利益が、労働者の賃金にも、取引企業の単価引き上げにも回らず、内部留保が500兆円以上にも積み上がる……この日本経済の構造的なゆがみに切り込んで、大企業も、中小企業も、賃上げを促進することは政治の責任です。
――大企業の内部留保に時限的に課税して、10兆円の財源をつくり、中小企業の賃上げへの直接支援を抜本的に強化します。内部留保課税にあたっては、賃上げ分を控除し、大企業の賃上げも促進します。
賃上げと一体に、労働時間を短縮し、「自由な時間」を増やします
「残業でへとへと」「自由な時間が欲しい」――切実な声が広がっています。日本のフルタイム労働者の労働時間は、ヨーロッパの主な国と比べて年間300時間も長く、いまなお「過労死」が大問題になっています。
●「1日7時間、週35時間」をめざします
――「自由時間拡大推進法」をつくり、「1日7時間、週35時間制」に移行することを国の目標にし、中小企業支援とともに、介護、教育、建設、運輸などの人手不足の分野への対策など、国が移行計画を策定します。
――労働時間の短縮をジェンダー平等実現の柱に位置づけて推進します。
●違法・脱法の長時間労働をなくします
――時間外・休日労働の上限を規制し、1日2時間を超える残業割増率を50%に引き上げます。連続出勤・休日出勤規制を強化し、「サービス残業」を根絶します。
――年次有給休暇を最低20日に増やすとともに、すべての職場で有給の傷病・看護休暇を実現します。
――裁量労働制を抜本的に見直し、残業代ゼロ制度を廃止します。
――定員増・業務削減などで、教職、公務、ケア労働の長時間労働を減らします。
――「1日8時間」の原則さえ骨抜き・形骸化をねらう労働基準法大改悪に反対します。
非正規ワーカーの待遇を改善し、不当な雇い止め、解雇をなくします
――「非正規ワーカー待遇改善法」をつくり、労働条件改善と正規雇用化をすすめます。
――不当な雇い止め、解雇をなくし、非正規ワーカーの雇用の安定をはかります。
――「同一価値労働同一賃金」、「均等待遇」を徹底し、非正規ワーカーへの差別・格差をなくします。
――非正規雇用の待遇改善でジェンダー平等をすすめます。
――国、自治体が率先して非正規雇用の待遇改善をすすめます。
(2)米の価格高騰を抑え、安定供給に国が責任を持つ
価格高騰・米不足をもたらした自民党農政の大転換を
●深刻な米不足が米の価格高騰を引き起こした
昨年6月までの1年間に供給された米の量は需要量より44万トンも少なくなり、民間在庫が史上最低に落ち込みました。その結果、「スーパーから米が消える」という米不足が顕在化し、買い付け競争が過熱し価格が高騰していきました。
しかし、政府は「米不足」を認めようとせず、「新米が出れば落ち着く」と言い続け、今年に入っても「米は足りている」と繰り返し、いまも「不足感」はあるとは言いますが、「全体として供給量はある」(小泉農水相)など、いまだに「米不足」を認めようとしません。こういう認識だから備蓄米放出も後手後手になり、価格高騰に拍車をかけたのです。「米不足」を認め、増産に切り替えることが必要です。
●価格高騰・米不足をもたらした自民党の大失政
価格高騰と米不足は、自然現象ではありません。歴代自民党政府の三大失政の結果です。
“米の消費が減る”ことを前提にして、農家に減反・減産を押しつけた……政府は、米の消費が毎年減るとして、生産をギリギリに抑えようと、農家に米減らしを迫りました。2021年、2022年に、コロナ禍も理由に2年間で50万トン分の減反・減産をすすめましたが、コロナ後の需要増加に生産量が追い付かず、米不足をもたらしました。
米の生産基盤を弱体化させた……自民党政権は、米農家への支援策を切り捨て、米生産の基盤を弱体化させ続けました。民主党政権が導入した所得補償(10アールあたり1万5000円)を2014年に半減し、2018年には全廃しました。米農家から1500億円以上もの所得を奪ったのです。一方で、米の価格や流通に政府が関与しないという「市場まかせ」政策によって、米の安売り競争が激化し、生産者米価は60キロ2万円を超えていたものが、1万円前後まで落ち込み、「米つくって飯食えねえ」という悲痛な声があがりました。このもとで、米農家は、2000年以降、175万戸から53万戸へと3分の1にまで激減しました。生産基盤の崩壊という深刻な事態をもたらした責任は重大です。
ミニマムアクセス米で輸入拡大し、生産基盤の弱体化を加速させた……国内の農家には減反・減産を押しつけながら、ミニマムアクセス米は減らさず、この二十数年来、77万トンを輸入し続けました。そのことが農家の心をどれだけ折ったか、はかりしれません。米の生産と農家経営に打撃となり生産基盤の弱体化を、この面でも加速させた責任は重大です。
減反・減産から増産に、“市場まかせ”から国の責任で
米不足と価格高騰を打開するには、減反・減産から増産への転換、市場まかせから国が責任を持って安定供給をすすめる農政への大転換が必要です。政府が米の生産基盤を弱体化させたために、「増産」のかけ声だけでは、米不足への不安を解消することができません。米農家への支援を抜本的に強化する農政への転換も、あわせて明確にする必要があります。
●増産でゆとりある需給・備蓄を確保します
気候や経済変動などで需給ギャップが生じても米不足にならないよう、政府の米需給計画は、ゆとりある生産量を確保します。供給不足が生じたら備蓄米を機敏に放出し、増産による値崩れが起きそうなときは買い入れで暴落を防ぐことが必要です。政府は備蓄米を「経費節減」などと言って減らし続け、かつては200万トンだったものを91万トンまで減らしました。備蓄米の買い入れ量を計画的に増やし、少なくとも200万トン以上に増やします。
●米農家への価格保障・所得補償を充実します
米は日本国民の主食です。「生産者に再生産可能な所得・価格を保障し、消費者には納得できる手頃な価格で提供する」――これは国の責任です。米生産者に生産費の平均と販売価格(農家手取り)の差額を補てんする制度を創設します。
どんな時でも米の再生産が可能な所得・価格が必要です。当面、最低でも農家手取り60キロあたり2万円~2万数千円を保障します。大規模経営、中小農家、兼業農家、新規参入者など、大事な担い手として経営が維持できるように、大小多様な農業経営を支援します。
農水省予算を1兆円増やして、米をはじめ食料の安定供給に責任を持つ政治をすすめます。農水省予算は年々減り続け、異常突出を続ける軍事費の4分の1にすぎません(2024年度)。自公政権は、軍事費を毎年1兆円増やしていますが、国民の食料の安定供給のための予算こそ、緊急に1兆円増やすことこそ、“国民の命と安全”に責任を持つ政治です。
●生産基盤を弱体化させる米の輸入拡大に反対します
政府の財政審議会などで、米不足を口実にミニマムアクセス米の主食枠拡大など、米の輸入拡大という議論がありますが、米の生産基盤をいっそう弱体化させます。世論調査でも7割近くが望んでいません。
(3)年金・医療・介護――高齢者、現役世代、若い世代の安心のために
物価高騰のもと、国民の暮らしの支えになるべき、年金・医療・介護が、たいへんな危機におちいっています。年金を物価上昇より低く抑える政治が、高齢者の年金も、現役世代が将来受け取る年金も減らしています。国が決める診療報酬、介護報酬が低く抑えられ、医療と介護の基盤が崩壊の危機に直面しています。
社会保障は、憲法25条の生存権を保障するものです。そして、高齢者も、現役世代も、現在とともに将来の生活を支えるものであり、経済そのものです。年金・医療・介護の危機を打開することは、日本の社会の安定と経済の持続的な発展に欠かせません。
「年金削減制度」をやめ、“物価・賃金に応じて引き上がる年金”に
自公政権の13年間に、公的年金は実質8・6%も削減され、高齢者とともに、現役世代が将来受け取る年金も削り込んできました。自公政権が「100年安心」といって導入した「マクロ経済スライド」など、年金の改定を物価や賃金の上昇よりも低く抑える仕組みのためです。
自民・公明と立憲民主党は「年金制度改定法案」を修正し衆院を通過させました。しかし、年金を物価や賃金の伸びより低く抑えて目減りさせる「マクロ経済スライド」などの年金実質削減制度を今後12年間続けることにしたために、高齢者も現役世代が将来受け取る年金も、実質10%削減されます。「月10万円の年金を1万円減らす」ことになります。
高齢者も、現役世代も「減らない年金」にすることこそ、緊急に求められる年金改革です。巨額の年金積立金を計画的に活用する、高額所得者の年金保険料の“頭打ち”を見直すなどの改革を行い、現在も、将来も全世代に“物価・賃金に応じて引き上がる年金”を保障することができます。
――「マクロ経済スライド」など年金を実質減額させる仕組みをただちに撤廃し、物価の値上がりや賃金の上昇に追いつかせる、年金の引き上げを行います。
――現在290兆円、給付の5年分もため込んでいる年金積立金を、計画的に給付の維持・拡充に充てていきます。
――高額所得者の保険料負担を頭打ちにする優遇を見直し、応分の負担を求めます。
――現役労働者の賃金・待遇の抜本的な改善をはかるなど、年金の保険料収入と加入者を増やす対策をすすめます。
――低年金の底上げ、最低保障年金の導入など、「頼れる年金」にするための改革をすすめます。
病院の6割が赤字――国費の緊急投入で医療崩壊を止め、医療従事者の待遇改善を
「このままでは、ある日突然、病院がなくなります」――日本病院会など病院6団体が衝撃の訴えをしています。国が決める診療報酬が、物価高も賃金上昇もまともに反映せずに低く抑えられているために、急激に病院の経営悪化がすすみ、診療科や入院患者受け入れを減らす、救急医療の廃止などの事態が全国に広がっています。ボーナスカットや賃下げで医療従事者の大量離職が起こり、日本の医療は崩壊の瀬戸際です。
この緊急事態の最中に、自民党、公明党、日本維新の会は、「医療費4兆円削減」の合意を結び、その第一歩として「11万床の病床削減」計画を打ち出し、地域医療の危機を加速させようとしています。「余剰ベッドの削減」と言いますが、「感染症などの有事に対応するには余力のある医療体制が必要」というコロナ危機の反省を、もう忘れたのでしょうか。こんな無反省と非道は、絶対に許せません。
――緊急に国費を5000億円投入し、診療報酬の基本の部分を引き上げます。患者負担増にならないようにして、医療崩壊を止め、医療従事者の賃上げをはかります。
――自公維の「11万病床削減」に反対し、強引な病院統廃合、「地域医療構想」の名による病床削減などをやめさせ、医師・看護師の計画的な増員、地域医療の体制強化をすすめます。
高すぎる医療費の窓口負担、国保料(税)を引き下げます
自公政権が強行を狙った高額療養費の患者負担増は、国民の世論と運動により「凍結」させました。ところが、自公と維新は「医療費4兆円削減」の合意を結び、高齢者の医療費負担増や医薬品の保険外しなど、医療制度の大改悪の検討を始めています。
――高齢者医療の2割負担・3割負担の対象拡大、高額療養費の負担増案“復活”などの改悪をやめさせ、高すぎる窓口負担の軽減・無料化をすすめます。
――OTC類似医薬品の保険給付外しなど、保険外医療を拡大して、患者負担増と医療の市場化をすすめる改悪に反対します。
――公費1兆円を投入し、人頭税のようにかかる均等割・平等割を廃止し、子どもの国保料(税)はゼロにし、国民健康保険料(税)を抜本的に引き下げます。
――マイナ保険証の強制をやめ、健康保険証を存続させます。
――高齢者に差別と負担増を押しつける後期高齢者医療制度を廃止します。
介護への国の支出を増やし、介護の基盤崩壊を打開する緊急対策を実施します
ホームヘルパーなど人手不足が深刻化し、介護事業所の撤退・廃業・倒産が続出して、地方では、介護事業所ゼロの自治体が出ています。現役世代の「介護離職」が年間10万人にのぼるなど、あらゆる世代の重大問題となっています。
介護職員の賃上げと労働条件の改善、介護報酬の底上げなど、介護の基盤崩壊を打開するため、介護保険の国庫負担割合を現行の25%から35%に引き上げて、国費投入を1・3兆円増やします。
――一刻を争う緊急策として、2024年度に政府が引き下げた、訪問介護の基本報酬を元の水準に戻します。削減されてきた介護報酬を底上げし、介護事業所の経営の継続に向けた支援を行います。
――介護保険制度への国庫負担を10%増やし、公的助成で賃上げをすすめ、ホームヘルパー、ケアマネジャーなど介護職の賃金を、「全産業平均」並みに引き上げていきます。
――施設職員の長時間・過密労働や「ワンオペ夜勤」の解消に向け、配置基準の見直しや報酬加算・公的補助などを行います。
――介護の事業が消失の危機にある自治体に対し、国費で財政支援を行う仕組みを緊急につくり、“民間任せ”では事業が成り立たない事業所・施設の経営を公費で支えます。
――軽度者の在宅サービスの保険給付外しや、利用料の2割負担・3割負担の対象拡大など、自公政権が計画する「史上最悪の介護保険改定」に反対し、保険給付の拡充、保険料・利用料の減免をはかります。
生活保護制度を「生活保障制度」に変え、福祉の抜本的充実を
――自公政権が強行した生活保護基準削減を緊急に復元し、物価高騰に見合った水準に引き上げます。保護申請の門前払い、扶養照会、自動車保有やわずかな預貯金を理由に保護利用を拒む運用などを改めます。名称を「生活保障制度」に変え、権利性を明確にし、必要なすべての人が利用できる制度に改革します。
――高齢者虐待や社会的孤立など、介護保険のサービスでは対応できない事案に対応する、自治体の福祉(措置)の機能と体制を強化します。
障害者の権利として福祉・医療を保障し、差別をなくします
――障害者児の福祉・医療は所得制限をなくし無料にします。障害児世帯の負担軽減は子育て支援策としても位置づけます。
――障害者差別をなくし、合理的配慮が行き届いた住まい、学び、就労、教育、情報、移動などを保障します。
――障害福祉報酬の基本報酬を緊急・抜本的に引き上げるとともに、福祉を支えるケアワーカー・専門職に公費から直接手当てし、処遇改善をすすめます。
――旧優生保護法(1948~96年)による被害は、戦後最大の人権侵害であり憲法違反です。二度と同じ過ちを繰り返さないよう、優生思想および障害者に対する偏見、差別を根絶します。すべての被害者の補償を行い、尊厳を回復します。第三者機関による優生保護法の真相究明と再発防止のための調査・検証を求めます。
(4)教育費の無償化めざし、子どもの権利を保障する教育に
“大学まで無償の国”をめざし、教育費負担を大幅に軽減します
教育の無償化は、国際人権規約に明記された基本的な人権であり、世界がめざすべき目標です。家庭の経済力に左右されず教育を受けられる社会こそ、子どもと若者の未来を支え、社会を豊かにします。ところが日本では、国公立大学も、私立大学でも学費値上げのラッシュが起きています。政府審議会で「国立大学費を150万円に」などの議論さえ行われています。この根底には、教育予算を削り、かわりに国民に多額の教育費を負担させるという、「受益者負担」「自己責任」の自民党政治があります。
――大学学費の値上げを中止させ、国の予算を投入して授業料半減・入学金ゼロを実現(専門学校含む)し、無償化をめざします。
――奨学金返済の半額免除を実現します。返済なしの給付制奨学金を多数の学生が受けられるよう拡充します。
――私立高校の無償化を施設設備費なども対象にして、さらに拡充するとともに、公立高校も充実させます。
――給食費無償を国の責任で行い、給食の質も確保します。教材費、制服代、修学旅行費など“隠れ教育費”を公費負担とし、義務教育の完全無償化をすすめます。
このままでは学校がもたない――教員の長時間労働の解消、教育の自由の保障を
教員のひどい長時間労働が続いています。精神性疾患で病休となる教員が急増し、学生は教員になることをためらい、「教員不足」は深刻化する一方です。
――「教員残業代ゼロ制度」をただちになくします。長時間労働の根本にある、授業に比べても少なすぎる教員定数を増やします。義務教育手当や特別支援教育手当の削減をやめさせます。
――子どものことより管理職からの評価を優先する傾向を強めた教員評価制度、トップダウンを強める職員会議の形骸化・主幹教諭や主務教諭の導入、官製研修の拡大を抜本的に改め、教育者としての自由を保障します。
急増する不登校――子どもも保護者も安心できる対応を
子どもの不登校が10年間で3倍と急増しています。不登校は、子どものせいではありません。怠けや弱さととらえるのは誤りです。親の甘やかしのせいでもありません。不登校の子どもの多くは心の折れた状態にあり、行けば具合が悪くなるような学校に行くことを義務にしてはなりません。子どもには安心して休む権利があります。
――「学習活動」中心の国の不登校対策を改め、子どもの心の傷の理解、休息と回復の保障を中心にし、子どもによりそう学校の対応を大切にします。
――安心できる情報提供と相談、学校との関係の負担軽減、フリースクール費用の軽減、「不登校休業制度」、親たちのつながりなど親への支援を手厚くします。
――校内別室・支援センター・不登校特例校の拡充、フリースクールへの公的助成など子どもの居場所・学びの場を整備します。
子どもが学校に通いたくなるような学校改革を――過度の競争と管理を是正します
この間、学校に過度の競争と管理がもちこまれ、学校が子どもにも教員にもとても窮屈な場になっています。不登校の急増が、教育介入をつよめた第2次安倍政権とともに始まったことは偶然ではありません。過度の競争と管理を是正し、子どもが学校に通いたくなるような学校改革をすすめます。
――授業を詰め込みすぎ、子どもにストレスを与えている“忙しすぎる学校”を、子どものペースにあったものにするため、学習指導要領を抜本的に見直します。
――全国学力テストを中止します。同テストは今までなかった県同士の平均点競争をうみ、市町村や学校を点数競争に巻き込み、教育を荒廃させました。
――ゼロトレランス(寛容ゼロ)容認など子どもを押さえつける過度の管理をやめ、「学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法で及びこの条約に従って運用される」という子どもの権利条約にそった学校にします。
OECD最低水準の教育予算を増額し、貧困な教育条件を改善します
日本の教育予算の水準(国・地方の教育予算の対GDP比)はOECD(経済協力開発機構)諸国平均の7割しかなく、世界最低水準です。一方で、軍事費(防衛費)は、教育予算の2倍にも膨れ上がっています。教育予算を抜本的に拡充し、学費値下げ、給食費無償化、教職員の増員など上記の施策をすすめるとともに、教育条件を改善します。
――小中高を30人以下の学級編制にします。
――特別支援学校への差別扱いをただちになくします。特別支援学校の増設、特別支援学級の編制基準の改善など劣悪なまま放置されている特別支援教育の条件を抜本的に改善します。
――私立学校振興助成法の制定から50年経過しましたが、私学助成はいまだに低水準です。私学助成の助成率50%まで引き上げ、私立学校の教育条件を改善します。
――自公政権のもとで一方的な統廃合や大規模校化が強行され、子どもの教育を劣化させ、地域の発展を阻害しています。教員削減や公共施設削減を目的とした一方的な統廃合に反対します。
(5)「人口減社会」問題にどう対応するか
「人口減社会」問題にどう対応するかは、日本が直面する重要な問題です。
結婚するか、子どもを産むかは、あくまで個人の選択の自由であって、国が介入することではありません。「少子化対策」などと言いながら、国民に「子どもを産みなさい」というプレッシャーをかけるようなことはやってはなりません。
問題は、経済的・社会的事情などで、将来の人生を自由に選択できなくなっていることです。教育費をはじめ子育てにかかる重い経済的負担を軽減する、物価高騰に負けない賃上げを実現する、労働時間を短縮し、働く人の自由な時間を増やす、非正規ワーカーへの差別をなくす、ジェンダー平等をすすめ、女性に家事、育児を押しつける不平等をなくすなど、生きにくい社会を変えることが求められます。
子どもの権利が尊重される社会にすることも大切です。国連子どもの権利委員会から「過度に競争的な教育システム」と勧告されている現状をあらため、子どもの人権を尊重し、豊かな成長を保障する教育条件の整備、子どもの貧困をなくし、教育を受ける権利を保障するなどが求められます。
「人口減社会」への対応の根本は、一人ひとりの人権と個性が尊重され、ほんとうに住みよい社会にしていく不断の努力を積み重ねることにおかれるべきです。
(6)住まい、命、暮らし、プライバシー、権利を大切にする政治を
“住まいは人権”の住宅政策に転換し、安心して暮らせる住宅を
東京はじめ大都市部を中心に住宅価格が異常に高騰し、それが家賃の値上げにも波及しています。住まいは生活の基本であり、憲法25条が保障する生存権の土台です。安心して暮らせる住まいの提供は、国の責任です。
●家賃減税・家賃補助制度をつくり、高額になっている住宅費を軽減します
欧州諸国では、住宅ローン減税と家賃補助の2本立てで住宅支援を行っていますが、日本には家賃負担へのまともな支援制度がありません。住宅ローン減税(年間8000億円規模)と同程度の規模で家賃減税・家賃補助制度を創設します。
――家賃減税制度をあらたにつくり、高額所得者や高額家賃を除き、家賃が所得の2割を超える人に対して、超過分の最大15%を減税します。例えば、13万~15万円の家賃を払っている平均的勤労者世帯(年収500万~600万円程度)だと年12万円の減税です。
――家賃減税では十分支援ができない世帯を対象に、家賃補助制度を「月1万円、200万世帯」規模で創設し、順次拡大していきます。
●公的住宅の建設・供給を再開します
かつては住宅・都市整備公団などが勤労者向けの公共住宅を建設・供給していましたが、「民業圧迫」などといってやめてしまいました。ふつうに働く勤労者が安心して暮らせる公的住宅の建設・供給を再開します。
●価格高騰を招いた規制緩和と大規模再開発を見直し、住宅投機を規制します
――投機目的の住宅転売など不動産投機を規制します。
住宅を投機の対象にしてしまったことが、価格高騰・家賃値上げに拍車をかけました。販売時の契約に購入者の居住や一定期間の転売禁止を盛り込み、居住目的でない住宅投資の防止を販売業者に徹底し、不動産投機を規制します。
――住宅価格高騰をもたらした、国家戦略特区などの指定を見直します。
自公政権は、「国家戦略特区」「都市再生特区」などにより、野放図な規制緩和と大手デベロッパーへの減税や金融支援をすすめ、タワーマンションや「億ション」を乱立させる大型都市再開発を後押ししました。これらの施策を抜本的に見直します。
――自治体が、まちづくりや都市計画、住宅価格安定などの観点から、タワーマンションの新規建設などを規制できるようにします。
住民の命、暮らし最優先に、災害に強い社会と国土をつくります
●被災者の生活となりわいの再建のために、国の支援を抜本的に強めます
――避難所の衛生、食事、プライバシー、ジェンダーへの配慮などを抜本的に改善します。避難所に限らず人間らしい避難生活を確保し、災害関連死の防止をはかります。
――住宅の被害認定は住まいとしての機能喪失の度合いを基本とし、住まいの再建を実質的に支援する水準に被災者生活再建支援金を引き上げます。
――国は通知やマニュアルの実行を自治体任せにするのでなく、被災者と被災地の実情を直接把握し、国の責任で必要な支援を行うよう改善します。
――災害・防災対策にジェンダーの視点を徹底します。
●乱開発を規制し、災害に強いまちづくり、国土づくりをすすめます
――開発にあたっては、災害時の危険に対する評価を厳格に実施し、開発規制や適切な管理を実行させます。
――石油コンビナートなどの防災対策は、事業者まかせにせず、国が責任を持って安全を確保します。
●防災体制を強化します
――地震・津波や火山活動、気象などの観測・監視、調査研究に必要な体制を強化します。
――防災対策を担う地方自治体などの人材確保と体制の充実をはかります。
――被災者支援に福祉を位置づけるとともに、医療や福祉の基盤を強化します。
デジタル化やAIの進歩を国民のために――法整備でリスクをなくし、暮らしと経済に役立つ活用を
●マイナ保険証の押しつけをやめ、保険証の復活を
――マイナンバーカードと保険証や運転免許証との一体化の押しつけをやめさせ、健康保険証を存続させます。
――いままでの保険証の代わりとなる資格確認書は、高齢者・障害者にとどまらず、マイナ保険証を持っている人を除外せず、全員に国の責任で交付します。
――デジタル化の推進と個人情報保護強化は一体です。個人情報保護法の改悪に反対し、真に個人情報を保護する改正を実行します。
――地方自治を無視した自治体へのデジタル化押しつけをやめ、個人情報保護条例を復活させて本人の同意なき個人情報移転などを防ぎます。
――情報漏えいやトラブルの原因解明と責任追及、被害者への補償などの規定を整備します。
●違法な国民監視、情報収集をやめさせます
――戦争を呼び込む能動的サイバー法、プライバシー侵害の刑事デジタル法を撤廃させます。
――警察が集めたDNA型、顔写真、指紋など個人情報の恣意的利用を許さず、法に基づく民主的コントロールのもとでの運用、警察から独立した民主的な監視機関の設置をもとめます。
●安心して活用できるAIのルールづくりをすすめます
AI(人工知能)の活用の大前提は、個人情報を保護し、安心と信頼を確保することです。EU(欧州連合)ではAI規制法を制定し、リスクのレベルに応じて使用禁止や厳格な管理を適用しています。
――日本版AI規制法を制定して、リスクに応じた厳格な管理を行い、偽情報を排除する仕組みをつくります。
――軍用ドローンや無人戦闘機など、AIの軍事・安全保障分野での使用に反対します。
――著作権法やデジタルプラットフォーム取引透明化法を改正して、プラットフォーマーやAI事業者に社会的責任を果たさせます。
――経済安全保障を名目とした半導体産業への巨額の補助金投入は見直します。
《大企業・富裕層に応分の負担、大軍拡の中止で、国民のため の財源を》
日本共産党は、財源の裏付けを持った政策を提案しています。消費税率5%への減税、社会保障の拡充や教育費負担の軽減、コメなどの食料の安定的確保や農業・中小企業の振興、気候変動への対策などの政策をすすめるために継続的に必要となる財源は25・6兆円です。さらに、最低賃金引き上げのための中小企業への支援、奨学金返済負担の半減、物価高騰に対する低所得者支援など、時限的な対策に今後数年の合計で20兆円程度の支出を見込みます。
継続的な施策のための財源は、借金に頼らず、持続的・安定的な財源の確保が必要です。この財源は、大企業や富裕層優遇の税制をただす改革や、富裕税などの新たな税の創設、大軍拡を中止して軍事費を大幅に削減するなどの歳出の抜本的見直しによって確保します。時限的な施策のための財源も、大企業の内部留保への時限的課税(10兆円程度)や、不要な基金等の取り崩しなどによって確保しますが、不足する場合は国債発行も含めて機動的に対処します。
施策の内容 | 財源規模 |
---|---|
消費税の5%への減税 | 15 兆円 |
賃金・雇用 | 2 兆円 |
社会保障 | 4.5 兆円 |
子育て・教育 | 4.5 兆円 |
食料の安定的供給・農業振興 | 1 兆円 |
家賃減税・中小企業振興・環境対策・その他 | 1.6 兆円 |
重複計上分 | ▲ 3 兆円 |
計 | 25.6 兆円 |
財源の内容 | 財源額 |
---|---|
法人税率を28%に戻す(中小企業は除く) | 3.3 兆円 |
大企業優遇税制の廃止・縮減など | 7.6 兆円 |
富裕層の株式譲渡所得・配当所得の課税強化 | 1.9 兆円 |
所得税・相続税の最高税率引き上げなど | 1.0 兆円 |
新しい税の創設(富裕税・為替取引税) | 2.9 兆円 |
消費税減税に伴う歳出の減少 | 2.3 兆円 |
軍事費・原発予算・大企業補助金など歳出の削減 | 6.7 兆円 |
計 | 25.6 兆円 |
端数処理の関係で、合計に誤差が出る場合があります |
3、トランプ政権のもとでの日米関係――“アメリカ言いなり”政治をあらためるとき
トランプ米政権のもとで、日米関係はこのままでいいのかが、大問題になっています。
自らが決めた国際協定を一方的に破り捨て、各国の経済主権を侵害するトランプ関税に、日本でも、世界でも、アメリカ国内からも、大きな怒りと批判がわき起こっています。イスラエルによるガザでのジェノサイド(集団殺害)を容認・後押しするなど、国際人道法・国連憲章を公然と踏みにじるトランプ大統領の言動にも、国際的な批判が広がり、米国は、世界から孤立し、信頼を根底から喪失する道をすすんでいます。
このもとで日米関係を見直そうという国民的な大変動が起こりつつあります。対米外交について「自立したほうがよい」が68%にのぼる(「朝日」調査)など、自立した外交への転換を求める声が立場の違いを超えて広がっています。
“アメリカ言いなり”の根底には、「日米同盟絶対」で思考停止に陥っている政治があります。日米同盟が何より大事だから、外交でも経済でも、アメリカの言うことには逆らえない――こんな政治をトランプ政権のもとでつづけたら、暮らしも経済も、平和と安全も大変なことになってしまいます。
(1)トランプ関税は許さない――撤回を求める外交、暮らしと経済を守る政治を
トランプ政権に全面撤回を求める外交を
――トランプ関税を許さない立場を堅持し、アジアやEUをはじめとする各国との共同を広げ、全面撤回を強く求める外交をすすめます。
――日本の米や農業を貢ぎ物のように相手に差し出すことは絶対に許されません。無条件での関税撤回を求めます。
トランプ政権の横暴から日本経済、中小企業・農業を守ります
国内の消費と内需をしっかり支えることが、トランプ政権の横暴と無法から経済を守るうえでも必要です。日本経済で最も体力があり、巨額の内部留保を抱えている大企業が、「あわてふためき」、雇用や取引企業を切り捨てるコストカットに走るなら、トランプ関税の被害を拡大し、大企業にとっても深刻な事態に陥ります。リストラ・下請けいじめを未然に防ぎ、農業を守り、家計と内需を応援する政策が必要です。
――経団連、自動車工業会への強力な要請、監督体制の強化などをすすめ、大企業によるリストラ、下請けいじめなどを未然に防ぎます。
――中小企業に対しては、資金繰りを確保するための「緊急融資」、相談窓口の開設など、万全の備えを用意します。
――米、牛肉・豚肉、ジャガイモ、乳製品、トウモロコシなど農産物のさらなる輸入自由化など、犠牲を農業と食料に押しつけることは許しません。
食料主権・経済主権を保障する新たな貿易ルールを
――WTO協定を見直し、食料主権を保障する貿易ルールの確立をめざします。
――TPP、日欧EPA、日米貿易協定、RCEP(地域的包括的経済連携)協定などの貿易協定を抜本的に見直し、各国の多様な農業の共存、食料主権・経済主権の尊重を基本に新しいルールや協定づくりをすすめます。
(2)日米同盟絶対の「戦争国家」づくりをやめ、平和つくる外交に全力あげる
平和も暮らしも壊す大軍拡にストップの審判を
●「敵基地攻撃」能力保有本格化で「軍事対軍事」さらに激化
自公政権が2022年末に「安保3文書」を策定してから2年半が経過しました。「安保3文書」は、2015年成立の安保法制=戦争法で法的に可能にした集団的自衛権の行使を実践面で具体化するものであり、憲法違反の「敵基地攻撃」能力の保有と、5年間で43兆円もの軍事費をつぎ込む大軍拡による“戦争への危険性”が、現実のものになっています。
他国の領土に撃ち込む長射程ミサイルの実戦配備が今年度から始まり、高性能のミサイルの開発・生産や大型弾薬庫建設も急ピッチですすめています。
今年3月には、自衛隊「統合作戦司令部」が発足しました。これは、「敵基地攻撃」態勢の構築にとって不可欠な、米軍と自衛隊の「シームレス(切れ目のない)な統合」のためであり、事実上、陸海空自衛隊を丸ごと米軍の指揮・統制下に組み込むものです。
この空前の「戦争国家」づくりは、「専守防衛」を葬り去るだけでなく、日本の主権をも投げ出すまでになっています。日英伊で共同開発する次期戦闘機の第三国輸出に足を踏みだし、日本を「死の商人国家」につくりかえようとしていることも極めて重大です。
大軍拡推進勢力は「抑止力の強化」を主張しています。しかし、こちらが恐怖を与えれば相手も恐怖で応えることになり、軍事対軍事の悪循環をエスカレートさせ、逆に戦争の危険を近づけてしまいます。政府は相手国の報復攻撃を想定して、自衛隊基地の「強靱(きょうじん)化」に加え、沖縄県先島諸島の住民全員の「避難計画」まですすめています。こんな危険かつ非現実的なやり方を絶対に許すわけにはいきません。
●トランプ政権の大軍拡要求が暮らしも経済も押しつぶす
軍事費は、2022年度当初予算の5・4兆円から、今年度8・7兆円にまで膨れ上がり、27年度には国内総生産(GDP)比2%の11兆円規模まで増額させる計画です。さらに、トランプ米政権からは、“日本の軍事費は少なくともGDP比3%必要”との要求が出ており、今後、増額圧力をかけてくることは必至です。GDP比3%といえば、約18兆円という規模になってしまいます。
すでに、軍事費は文教予算の2倍以上です。このような大軍拡をつづければ、増税や暮らしの予算の削減をもたらし、暮らしも経済も壊されてしまいます。
――集団的自衛権行使容認の閣議決定と安保法制を廃止します。日米軍事同盟を絶対視し、その強化をはかることに断固反対します。
――「安保3文書」にもとづく「戦争国家」づくりをストップさせます。
――軍拡増税を中止し、米軍への思いやり予算をなくします
――憲法9条を守り抜き、改憲策動に断固反対します。
――日米安保条約を廃棄し、日米友好条約を締結します。
「戦争の準備」をやめ、外交による「平和の準備」を
いまやるべきは、「戦争の準備」ではありません。東アジアに平和をつくる「平和の準備」、憲法9条を生かした平和の外交こそ必要です。「日米同盟」絶対で、大軍拡をすすめている勢力は、「空想的」「理想的」など言いますが、まったくの見当違いです。東南アジア諸国連合(ASEAN)が粘り強く取り組んでいる地域の平和共同体づくりという現実の取り組みに学び、協力していくことが大切です。
●「東アジア平和提言」を指針に、東アジアの平和構築のために全力をあげます
日本共産党は昨年4月、ASEANと協力して東アジア規模での平和の地域協力の枠組みを発展させるという、「東アジア平和提言」を発表し、その実現のために内外で行動してきました。
ASEANは、紛争の平和解決を定めた条約(東南アジア友好協力条約=TAC)を土台に、数十年にわたり徹底した対話を積み重ね、「分断と敵対」から「平和と協力」へとこの地域を劇的に変えてきました。
「東アジア平和提言」は、ASEANと協力し、「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)の実現を共通の目標にすえ、ASEAN10カ国に加え中国もアメリカも日本も参加する東アジアサミット(毎年開催)を活用し、東アジア全体を戦争の心配のない平和な地域にしようという提唱です。「提言」では、北東アジアの固有の諸問題――日中関係、台湾問題、北朝鮮問題、歴史問題の外交的解決の方向も示しています。ガザ危機、ロシアのウクライナ侵略を、国連憲章と国際法にもとづいて解決することを訴えています。「提言」の実現のためにあらゆる力をつくします。
軍事的対応や軍事ブロックによる対立では平和はつくれません。AOIPのような、特定の国を排除せず、地域のすべての国を包摂する枠組みをつくり発展させてこそ、平和への道が切り開かれるのではないでしょうか。
●日中関係をどうするか――「互いの脅威にならない」という合意の順守を
日中両国関係の前向きの打開をどうやってはかるか。2008年の日中首脳会談での共同声明で明記された「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」という原則がきわめて重要です。日中両国政府ともこの合意と原則を重視すると表明しているわけですから、それにふさわしい行動をとるべきです。日本は大軍拡をやめるべきです。中国は東シナ海での力を背景にした現状変更の動きをやめるべきです。
4月末には、志位和夫議長が日中友好議員連盟の訪中団の一員として自民党幹事長ら超党派の議員とともに参加し、全人代委員長ら中国側の要人と会談し、この合意を日本も中国もしっかり守ることが一番重要だと提起し、中国側も「日本共産党の提起を重視する」と応じました。同時に、東シナ海などで緊張を高める動きを自制するように求めるとともに、台湾問題について、中国の武力による威嚇や行使に反対であること、第三国による軍事的関与や介入にも反対し、平和的解決を強く願っている、という日本共産党の立場を表明しました。
日本共産党は、言うべきことはしっかり言いながら、日中両国関係を前に動かすために力をつくしています。
――ASEANと協力し、対話と協力の外交で平和な東アジアをつくります。
――「互いに脅威とならない」の合意を日中両国政府が順守することを強く求め、日中関係を前向きに打開するために力をつくします。
沖縄の米軍新基地建設を中止し、日米地位協定の抜本改定を
自公政権は、沖縄県民の度重なる民意を踏みにじり、米軍辺野古新基地建設にしがみついています。しかし、新基地建設は、政治的にも、技術的にも、財政的にも破たんしています。
超軟弱地盤がある大浦湾側での工事は完成できるかどうかさえ疑問視されています。基地建設の土砂投入量は25年度末時点で全体の17・5%にもかかわらず、予算は総工費(9300億円)の約8割にも達します。「辺野古が唯一の解決策」どころか、新基地建設に固執すればするほど、「世界一危険」な普天間基地の固定化がつづいてしまいます。新基地建設中止、普天間基地の即時閉鎖・撤去こそが、まさに唯一の解決策です。
沖縄本島、宮古島、石垣島では今後、長射程ミサイルの配備が狙われるなど、自衛隊基地も強化されています。沖縄の戦場化を想定した避難訓練など言語道断です。沖縄を軍事要塞(ようさい)化し、再び戦場にすることは許されません。
一昨年12月に米兵による16歳未満の少女に対する性的暴行事件が発生し、しかも日本政府が半年間にわたり県に通報しなかったことが大問題になりました。その後も米兵による性暴力事件はなくなるどころか何度も繰り返されています。これは沖縄だけの問題ではありません。全国で相次ぐ犯罪や米軍機の事故、異常な低空飛行訓練など米軍の横暴勝手の根本には、植民地的特権を保障した日米地位協定があります。この異常な事態は一刻も放置することはできません。
――辺野古新基地建設を中止し、普天間基地は即時閉鎖・撤去します。
――長射程ミサイルの大量配備など、沖縄の軍事要塞化を許しません。
――米軍犯罪など横暴勝手の根本にある日米地位協定を抜本改定します。
「核抑止」から抜け出し、核兵器禁止条約に参加する政府を
今年は被爆80年。日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が昨年、ノーベル平和賞を受賞しました。被爆の実相、核兵器の非人道性を語り続け、核兵器全面禁止を求める国際的なうねりをつくる原動力となった活動が評価されたのです。そして、核兵器使用の現実の危険が高まる中、核兵器禁止条約が重要な役割を増しています。現在、署名国は国連加盟国の過半数に迫る94カ国、批准は73カ国に達しています。
唯一の戦争被爆国である日本政府は、締約国会議へのオブザーバー参加も拒否し、条約に背を向け続けています。アメリカの「核抑止力」=「核の傘」に依存し、日米一体で強化しているからです。しかし、ヒロシマ・ナガサキの惨禍の非人道性を認めながら、核兵器の使用を前提とした「核抑止」政策をとることとは根本的に矛盾します。それはまた、全人類の安全を危険にさらすものです。核軍拡競争をつくりだし、仮に抑止が破たんした場合、全世界にとって取り返しのつかない大災厄をもたらします。「核抑止」論から脱却し、核兵器禁止条約への参加を決断すべきです。
――「核抑止」から抜け出し、核兵器禁止条約に参加する政府をつくります。
――唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶の先頭に立つことを求めます。
4、気候危機打開へ――正面から取り組む政治に
2024年の世界の平均気温が史上最高を更新し、産業革命前の水準を1・55度上回りました。日本でも猛暑、豪雨、豪雪、山火事などが頻発し、農業や水産業にも大きな被害を与えています。このままでは「後戻り」できない破局的な事態に陥ってしまいます。
2035年までに温室効果ガス75~80%削減を
これからの10年が決定的です。国連は、気候危機の回避に不可欠な「1・5度目標」達成のために、世界全体の温室効果ガス排出量を2035年までに60%削減(19年比)が必要としています。先進国・排出大国など各国が野心的目標をもち対策を加速させることが強く求められています。
ところが日本政府が国連に報告した削減目標は、「2013年度比60%削減」(19年度比53%削減)にとどまっています。これは経団連の要求を丸のみしたもので、世界第5位の排出国・日本への要請に応えておらず、国際社会から強い批判を受けています。
日本共産党は、2021年9月に「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」を発表し、省エネと再エネを抜本的に強化して、CO2を50~60%削減するという提案をしました。その後の事態を踏まえ、遅れを抜本的に打開し取り組みを加速させる必要があります。
――2035年度までに13年度比75~80%削減(19年度比71~77%削減)をめざします。
――削減目標と計画策定を閣議決定だけで行うやり方を根本的に改めます。気候危機打開基本法の制定などで、専門家の英知結集、市民参加を保障し、国会で審議・決定するようにします。
原発や石炭火力をやめることが本気度の試金石
世界有数の地震国・津波国日本で、「脱炭素」と称して原発を稼働させることは、東電福島第1原発事故から14年の現実や能登半島地震などを見ても無謀です。にもかかわらず自公政権は、エネルギー基本計画には原発の「最大限活用」、原発の新増設まで明記しました。
データセンターやAIで電力の大幅な需要増加が見込まれるといいますが、事業者に対する再エネ・省エネ導入促進の義務づけ、排熱規制の強化こそ必要であり、人間社会と地球環境に深刻な危険をもたらす原発推進にすり替えることは許されません。
国連が「先進国は2030年までに石炭火力の段階的廃止を」と求めているのに、日本は、G7で唯一、石炭火力の廃止期限を示さず、今後も温存・延命しようとしています。
一方で、再エネは先進国のなかでも大きく立ち遅れているのに、2040年度でも電力の比率は4~5割程度にすぎません。大手電力会社は、「電力が余る」といって再エネ電力を抑制しています。原発や石炭火力を維持するために再エネ電力を「捨てる」など、気候危機打開に逆行するものです。
――すみやかに原発ゼロ、石炭火力からの計画的撤退をすすめ、30年度にゼロにします。
再エネ・省エネに大胆に取り組みCO2削減をすすめ、実質ゼロへ
再エネには大きな可能性があります。政府の試算でも、日本の再エネ潜在量は、国内の電力需要の7倍もあります。しかも純国産で安全なエネルギーです。
――大胆な再エネ導入で、2035年度の電力比率8割とし、40年度までに100%をめざします。
――再エネの優先利用の原則を確立し、大手電力会社が再エネ電力の導入にブレーキをかけることや、太陽光をはじめ再エネ発電の出力抑制を中止させます。
――農地でのソーラーシェアリング、小規模バイオマス発電の普及など、脱炭素と結びついた農業・林業振興をすすめます。中小企業の脱炭素化支援を強化します。再エネ導入の障害となっているメガソーラーや大型風力などのための乱開発をなくす規制を強化します。
――CO2排出量が大きい業界、大規模事業所に、削減目標と計画、実施状況の公表などを「協定」にして政府と締結することを義務化します。
――省エネを産業、都市・住宅など全分野ですすめ、35年度までに消費量を6割減らします。
5、ジェンダー平等――個人の尊厳と人権が尊重される社会に
(1)ジェンダー平等を前進させる政治に変えます
ジェンダー平等は、誰もが人間らしく尊厳を持って生きられる社会の大前提です。ジェンダー平等後進国日本の変革を求める運動はあらゆる分野でねばり強く広がっています。女性たちの本気の行動、男性にも広がる連帯が一歩ずつ前にすすんでいます。
選択的夫婦別姓、同性婚の早期実現へ
ジェンダー平等社会への前進を妨害しているのが、自民党政治であることがいよいよ鮮明になるとともに、自民党政治の補完勢力がジェンダー平等を拒む役割を果たしていることも明らかになっています。
夫婦同姓の強制が、アインデンティティーの喪失や経済的不利益をもたらしていることが明らかとなり、選択的夫婦別姓が、経済界をも巻き込んだ広範な国民の強い要求になっているにもかかわらず、自民党政治は、明治憲法下の家父長的家族観を国民に押しつけています。
衆議院での与党過半数割れという新たな政治状況で、選択的夫婦別姓の実現が見通せるようになり、国会での法案審議が28年ぶりに始まりましたが、自民党などが抵抗しています。民法改正案の審議が始まった力をさらに前進させて、実現を迫ります。
同性婚訴訟では、これまでのすべての高裁判決が同性婚を認めない民法は違憲であるという判決を出しています。
――選択的夫婦別姓を今すぐ実現します。
――同性婚を認める民法改正を行います。
男女賃金格差の是正、職場におけるジェンダー平等を
男女賃金格差の情報公開は、従業員101人以上企業に拡大されますが、それでも対象は女性労働者の2割程度です。国がすべての企業の格差是正の取り組みを支援すべきです。
――男女賃金格差の原因である非正規との格差を明確にするため、情報開示項目を増やし、正規雇用男性に対する、正規雇用女性、非正規男性、非正規女性の数値を開示させます。
――企業に、賃金格差是正の計画策定と公表を義務づけ、政府がそれを監督・奨励する仕組みをつくります。
――実質的な女性差別を横行させている間接差別をなくします。男女雇用機会均等法を抜本的に改正し、間接差別の禁止、同一価値労働同一賃金の原則を明記します。
――ハラスメントを包括的に定義し、明確に禁止する法整備を行い、ILO(国際労働機関)190号条約の批准をすすめます。
リプロダクティブ・ヘルス&ライツはじめ女性の権利が尊重される社会に
若年女性支援を行う団体への激しい誹謗(ひぼう)中傷や、「生理用品をトイレに置いてほしい」という声への激しい攻撃など、ジェンダー平等へ声を上げる女性を黙らせようとする卑劣極まりない攻撃もあります。日本共産党は、女性蔑視、ミソジニー(女性嫌悪)にもとづく暴力を許しません。力を合わせ、暴力をはね返し、誰もが声を上げられる社会にしましょう。
――リプロダクティブ・ヘルス&ライツ、権利としての避妊や中絶を確立します。避妊薬と緊急避妊薬、中絶薬を安価でアクセスしやすくします。刑法の堕胎罪や母体保護法の配偶者同意の要件を廃止します。「生理の貧困」を根絶します。
――性暴力被害者支援ワンストップ支援センター予算を抜本的に拡充し、根拠法を制定します。
――政治分野における男女共同参画推進法の立法趣旨に沿い、パリテ(男女議員同数化)に取り組みます。民意をただしく反映し、女性議員を増やす力にもなる比例代表制中心の選挙制度に変えるとともに、衆議院の女性議員比率が約10%という、日本のきわめて遅れた状態を変えるために、政党に一定割合の女性候補者擁立を義務づけるなど、クオータ制の導入をすすめます。
――女性差別撤廃条約選択議定書は条約が保障する権利が侵害されたときに国連差別撤廃委員会に通報して救済を申し立てることができる制度で、すでに115カ国が批准しています。日本は、国連から批准するよう勧告され続けています。早期に批准し、差別を受けたら国連に通報できる差別撤廃の制度を日本の女性が獲得できるようにします。
(2)あらゆる分野の人権保障を
――こども基本法で定めた「こども施策」の策定等での意見表明の機会と意見の尊重、子どもの参加を、教育行政をふくめ全面的に実施させます。
――子どもの権利のための立法や政策提言、個別の権利救済の権限をもつ、独立性のある子どもの権利擁護・救済機関を設置します。
――子どもの権利条約の内容を知らなくては権利が行使できません。特に、子どもや子どもに関わる大人たちへの普及・研修をつよめます。
――ヘイトスピーチの根絶に力をつくします。
――アイヌ民族の権利運動に連帯し、国連宣言に沿った先住民の人権尊重前進の取り組み強化をはかります。
――外国人労働者に、日本人と同等の労働者としての権利保障を確立します。育成就労制度は、技能実習から名称変更しただけであり、早急に本人の意向による「転籍の自由」の保障と、労働者の家族帯同を認めるよう抜本的改善をはかります。
――難民条約、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の基準など国際人権法を順守し、法務省から独立した難民認定機関の設置など抜本的な入管法改正、入管庁改革を行います。
――国連拷問禁止委員会などから厳しく批判されてきた長期収容に上限を設定し、人身拘束はかならず司法審査を行います。難民認定申請中の強制送還を可能とする改悪は無効化します。新設された永住権取り消し規定を削除します。
――戦乱など諸事情で日本に避難した外国人には、ウクライナ避難民と同水準の支援を行います。日本生まれ、日本育ちの子どもとその家族に、実情に即した在留特別許可を積極的にすすめます。
――再審法を改正します。
袴田さん無罪判決では、捜査機関による自白強要と証拠捏造(ねつぞう)を断罪しました。二度とこのような国家権力による重大な人権侵害を引き起こさないために、全面的な証拠開示と、再審開始決定に対する検察による不服申し立ての禁止を制度化するなど再審法改正を早急に行います。
6、裏金問題など腐敗政治を根本から正し、企業・団体献金を禁止します
昨年の総選挙では、裏金事件への国民の怒りが噴出し、自公政権にきびしい審判が下されました。しかし、石破政権はいまだに、裏金問題の責任を明らかにしようとせず、真相解明を拒んでいます。都議会自民党の裏金問題の真相解明にも背を向けています。
統一協会と自民党政権との癒着も明らかにされていません。安倍元首相が統一協会会長と自民党本部総裁室で面談した事実が判明しても、再調査すら拒否しています。
その一方で、自民党は、腐敗政治のおおもとにある企業・団体献金にしがみついています。世論調査でも、企業・団体献金の禁止は国民の多数の声です。日本共産党は企業・団体献金の禁止をいっかんして主張し、政治資金パーティーで企業や業界にパーティー券を売りつけることを含めて、全面的に禁止する法案を提出し続けてきました。いまでは他の野党も主張するまでになりました。しかし、自民党が抵抗しているだけでなく、国民民主党が自公与党と3月末に、企業・団体献金を禁止しないことで合意して、自民党の腐敗政治温存に助け舟を出しました。
外国特派員協会は5月31日、裏金問題をスクープ・追及した「しんぶん赤旗」に、最高の栄誉となる「報道の自由賞」を授与しました。裏金自民党を追いつめた日本共産党と「しんぶん赤旗」に大きな社会的評価が与えられていることは光栄です。引き続き、政治の腐敗を正し、カネで動く政治から国民の声で動く政治に変えるために力をつくします。
――企業・団体によるパーティー券購入を含む企業・団体献金を全面禁止します。
――国民の血税を分け取りする政党助成金制度を廃止します。
――民意をゆがめる小選挙区制を廃止し、比例代表中心の選挙制度に改めます。