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25.防災・安全のまちづくり・過疎対策

防災・安心安全のまちづくり、過疎対策をすすめます

 災害の発生を最小限に抑え、被害の拡大を防止するため、(1)防災を無視した開発をやめ必要な防災施設の整備と安全点検を徹底するなど防災まちづくりをすすめること、(2)観測体制の整備をすすめ消防や住民などを中心とした地域の防災力を強化すること、(3)災害が発生した場合には、すべての被災者を対象にした再建・自立にむけた支援をおこなうこと、これらを住民参加で実現をめざします。また、防災体制の強化も重点課題としてすすめます。

被災者への支援を強化します

日本共産党は、被災者の最低限の生活基盤の回復のための支援を国の責任でおこなうことを主張し、(1)当面の生活の維持への支援とともに、住まいの再建を支援対象とし、支給額を引き上げる、(2)地域経済とコミュニティーの担い手である中小商工業者の事業の再建や商店街の復興も支援対象とする、(3)三宅島噴火災害のような長期の避難生活という事態も支援対象とする、(4)被災者の自立にとって大きな障害となっている既存ローンの負担を軽減する、──などを柱にした被災者支援の実現を提案してきました。

被災者の切実な要望であった住宅本体の改築や修繕を支援金支給の対象としたほか、世帯主の年齢や世帯の年収要件を撤廃し地域の再建・復興の担い手である働き盛り層も支援の対象とした前回(07年)の被災者生活再建支援法改正では、各党に見直しのための協議を呼びかけるなど、被災者を中心とした運動と呼応して早期見直し実現に努力しました。

 被災住宅の被害判定を居住者の納得のもとにすすめることが急務となっています。日本共産党は、浸水被害をはじめ住宅としての機能を第一に、居住者の立場にたった被害判定の基準とすること、また、総合的判定を可能とする体制を確立することが不可欠と考えます。同時に、市町村で10世帯以上の住宅全壊被害などとする対象災害や「全壊」「大規模半壊」などに限定された支援対象世帯などを見直し支援の対象を抜本的に広げること、支給限度額を住宅再建にふさわしい額に引き上げることなどが必要です。

一方、災害救助法の運用については、被災住宅の応急修理や障害物の除去など、適用に必要な要件を緩和するとともに特別基準による基準額や適用期間の延長など被災の状況に見合った全面的な活用を追求します。「震災障害者」への支援や激甚災害制度を含め被災者や被災地の実際に即した実効ある支援制度とするため全力をつくします。

災害に強いまちづくり、国土づくりをすすめます

 地震災害はどこで起きてもおかしくありません。地震による被害を最小限にくい止めるうえで、学校などの公共施設や緊急輸送路沿いの住宅などだけでなく、病院や大規模集客施設をはじめ宅地を含めたすべての住宅の耐震診断と耐震補強を計画的にすすめることが不可欠です。そのために、設置者・開発者のとりくみを促すとともに、国自身の計画を実行する責任を明確にした体制の確立と支援措置を強めます。

 大都市では、「再開発」や「都市再生」の名による超高層ビルの建設ラッシュ、無秩序なまちづくりによって、雑居ビルや老朽木造住宅が混在しています。通勤や通学のため大規模な人口移動が繰り返され、迷路のような駅ターミナルに人があふれています。一方、地方では、経済の落ち込みや高齢化から、山間地の集落の維持が深刻な問題となっています。市町村の広域合併は、住民と行政の距離をますます広げています。一旦地震や豪雨・洪水などが発生すれば、被害を一層拡大することになりかねません。

 長周期地震動や地盤の液状化などへの対策を強化し、被害を最小に抑える取り組みをすすめます。交通やガス・上下水道などライフライン施設、河川堤防、がけ崩れや土石流などの危険箇所、老朽化したため池など、災害危険個所の点検を急ぎ、必要な補強・補修を優先しておこないます。住民の要求をよく踏まえて、電線の地中化など、安全性を高める措置をすすめます。災害対策を無視した開発行為の規制など、まちづくりそのものを、開発優先から、防災を重視した住民参加型に転換します。開発や土地利用の変更にあたって、災害に対してどのような影響があるかを事前にチェックする防災アセスメントを導入します。森林の荒廃が大量の流木や大規模な土石流をひきおこし、被害を増幅しており、間伐や風倒木撤去の徹底、作業用林道の回復措置など、国土保全をすすめます。

 大規模な災害発生にあたって、消防や警察などの救援部隊を全国的に派遣する体制は急速に整備されてきました。その反面、地域の防災対策を日常的に点検・強化し、災害発生時には被災者救助の中心的役割を担う市町村消防の体制は、職員の不足が常態化しており、広域化による市町村災害対策本部との連携や地理不案内による初動体制の遅れなどが懸念されています。防災行政無線の整備を含め、消防職員の増員や消防水利の整備など、消防力を強化することは地域の防災力にとって不可欠です。ボランティアを含めた住民の知恵と力を取り入れ、地域防災計画を見直し、高齢者や障害者、住民の安全な避難など地域の防災対策を強化します。

 公務員を削減するとして測候所の廃止が一方的にすすめられてきました。その結果、異常気象などの相談窓口は都道府県庁などの地方気象台に一本化され、遠隔地の地域の実情を的確にふまえた対応に不安がもたれています。地域の実態をふまえた防災センター機能の強化・確立をめざします。地震・津波や火山、気象の観測・研究施設の整備をすすめ、観測・監視体制を強化、必要な財源の確保と体制の確立を目指します。

原発や石油コンビナートなど危険物施設の安全対策をすすめます

 07年7月の新潟県中越沖地震では、東京電力柏崎刈羽原発で防災対策の不備が露呈し、原発震災の危険が現実のものとなりました。07年3月の能登半島地震でも北陸電力志賀原発の設計時の想定を超える震度が観測されていました。電力会社まかせでなく、国の責任で、すべての原発・原子力施設について耐震設計の安全性を客観的に厳しく評価するとともに、原子力施設全体の地震をはじめとした防災対策を点検すべきです。

 石油コンビナートや危険物を扱う化学工場などについても、災害への備えを点検し、地域の防災計画などに反映していきます。

過疎地における生活維持・地域活性化のための対策を強化します

 全国の過疎化の進行は、自公政権の市場原理一辺倒の構造改革路線のもとで、大都市部との格差は拡大やいっそう拡大し、ますます深刻な事態となっています。現在、過疎地域には約1000万人(人口の約8%)が住み、730市町村(41%)、国土の54%という広大な面積に広がっています。こうした地域が担っている国土の保全や水源の涵養、食料の供給などの重要な機能が、維持できなくなると懸念されており、過疎対策は日本の今後にとって重要な課題です。

従来の第一次産業の衰退にくわえ、自民・公明政権の三位一体改革による交付税の削減で市町村の財政が危機的な状況におちいり、市町村合併の押し付けで、中山間地など条件が不利な地域では行政サービスが低下し、人口流出に拍車がかかっています。住民の半数以上が高齢者といういわゆる「限界集落」では、基礎的な集落の共同機能が果たせなくなるなど、住み続けるのが困難な状況に直面しています。

過疎化の進行は、仕事とともに、買い物や医療・福祉、教育など日常の暮らしの条件を悪化させています。600万人に達するといわれる「買い物弱者」(買い物難民)をなくすため、移動販売車への補助、商店街・小売店への移動手段の確保などを行います。「山の駅」(仮称)など地域の条件に合ったライフ拠点づくりを進め、地域の産物の直売、金融の窓口、診療所、日常の買い物、郵便、行政の情報提供、都市住民との交流などの拠点として整備します。市町村の支所や役場、病院、ライフ拠点を結ぶコミュニティバスの運行、高齢者の多い集落に対する集落援助員、多雪地域の冬季安全保安員などの配置のための財源を、国の責任で保障します。

大規模開発や大規模な利用に偏重した公共事業・開発政策を優先する姿勢を改め、集落ごとに緊急度の高い生活道路、集落排水、合併浄化槽などの生活基盤や、地域産業の基盤整備を急ぎます。類似の事業の一本化でむだをなくしつつ、条件不利地域の補助率を引き上げます。

農山村の条件不利を是正するための農業の直接支払い(所得補償)の拡充を図ります。多くの県・市町村が行っている農林水産業への新規参入者への助成を、国の制度として実施し、施策の底上げを図ります。当面、月15万円の生活資金を3年間助成する「農林漁業新規就農者支援制度」を導入します。作業道の整備や、所有者不在の森林伐採を公共事業として進め、住宅や公共施設の建設での地元産材利用に国が助成するなど、林業の活性化を進めます。小水力発電や、農林業にかかわるバイオマス・エネルギーの利用をすすめ、新たな産業分野を生み出します。

過疎地域の持つ環境保全、水源涵養、食料供給などの機能を維持発展させることは、都市住民にとっても重要な課題です。漁民や山村住民による流域の共同管理、棚田や森林の保護・育成、伝統文化の継承で、都市住民との交流・共同を広げます。

地方交付税をもとにもどし、条件不利地域でも自治体本来の仕事ができるよう、十分な財政措置をとるべきです。市町村合併の押し付けをやめるとともに、中心市に行政サービスを集中する定住自立圏構想には反対です。

地域の足をまもります

 06年、新しいバリアフリー法(バリアフリー新法)が制定されました。「誰もが自由かつ安全に移動・利用することは基本的権利である」という考え方にたち、「事業者まかせ」ではなく、国として、国民の足の確保、交通・移動の権利を保障しうる施策を計画的に実施することが必要です。

 公共施設はもちろんのこと、多数が利用する施設、歩道、地方の駅や利用者数の少ない駅などのバリアフリー化をすすめます。法基準の見直し、計画づくり、実施には、利用者、住民、NPOなどの参加と協働を広げます。

 規制緩和万能路線を改め、地方の鉄道、公営バス、コミュニティバス、LRT、離島航路・フェリーなど、生活に欠かせない地域公共交通を維持します。バリアフリー化がすすんでも移動困難な人のための輸送手段(個別的代替輸送・スペシャルトランスポートサービス)の確保をはかります。

 整備新幹線については、在来線の廃止や多額の地元負担につながる現在の計画を見直し、予算規模も、財政状況をふまえた適正なものにします。


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