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13.若い世代

若者が人間らしく働き成長できる社会をめざします

長時間労働、「派遣切り」、就職難、高い学費――いま若者は、働き方やくらしをめぐる状態悪化のもとで、異常な大企業中心政治の矛盾を集中的に受けています。この現実を打開することは、若者にとってはもちろん、日本社会の活力ある発展にとっても重要です。日本共産党は、「大企業にモノ言える党」として、全力でこの課題にとりくみます。

若者が「人間らしく働けるルール」を確立します

若者の完全失業率は全世代平均を大きく上回り、派遣やアルバイトなど不安定な働き方の非正規社員は24歳以下で2人に1人にまで達しています。正社員の間でも、長時間労働の横行など劣悪な働き方が広がっています。これらは自然現象ではなく、若者に責任があるのでもありません。政府が、財界・大企業の要望にこたえ、「労働法制の規制緩和」をすすめてきた結果です。日本共産党は、労働法制の規制緩和を抜本的に見直し、若者が「人間らしく働けるルール」を確立するため、力をつくします。

――労働者派遣法を、「労働者を守る法律」に抜本改正します。

政府の派遣法改定案は、2つの「抜け穴」――製造業派遣は「原則禁止」と言うが、短期雇用の繰り返しでも1年を超える雇用見込みがあれば禁止の例外としていること、登録型派遣も「原則禁止」と言うが、「専門26業務」への派遣を例外とし、パソコン操作など専門知識が必要とは思えない業務を多数含んでいること――などの問題を抱え、このままでは多数の派遣労働者が「使い捨て」雇用のままになります。「製造業派遣はきっぱり禁止」、「専門業務の内容を見直し、真に専門的な業務に厳しく制限する」ことで2つの「大穴」をふさぐなど、派遣法を労働者保護法として真に実効あるものへ抜本改正します。

――時給1000円以上をめざし、全国一律の最低賃金制度の確立をはかります。

――若者の異常な長時間労働をただします。「サービス残業」「名ばかり管理職」など、違法な長時間労働を根絶します。

――働くルールについてのわかりやすいリーフレットの作成・配布、相談窓口やサポートセンターの拡充などに、政府が責任をもってとりくみます。

若者が安心してくらし、結婚・子育てできる環境を整えます

雇用破壊や貧困が広がるもとで、経済的に自立できず、結婚や子育てなど将来の見通しをもてない若者が少なくありません。

家賃補助、公共住宅建設や生活資金貸与など、若者の生活支援を強めます。「派遣切り」によって青年が仕事も住居も失うという現状の打開は急務です。「人間らしく働けるルール」の確立とともに、国民の居住の権利の明確化、公共住宅の質量両面での改善など、住宅政策の抜本的な改善が必要です。当面、住宅喪失者に対する緊急策として公営・UR住宅、雇用促進住宅を供給するとともに、初期費用や家賃の軽減、入居期間を再就職できるまでとするなどの措置をとり、一刻も早く正常な生活が営めるよう公共的支援を強めます。

安心して出産・子育てできる環境をととのえます。保育が必要なときにいつでも預けられるように、国の責任で当面1年間で10万人分の認可保育所をつくります。出産費用を軽減し、国の制度として子どもの医療費無料化をすすめます。妊娠を口実にした契約更新うちきりなどをやめさせ、派遣やパートでも、「産休」「育休」をとりやすくします。

新卒者の就職難打開をめざします

 学生、高校生を、深刻な就職難が襲っています。「何十社も面接に行ったけど全部ダメ。自分は社会に必要ない人間なのか」――切実な訴えも少なくありません。「就職活動は自己責任」と思い込みがちですが、就職難は学生の責任ではなく、「就職氷河期」が繰り返される経済社会の方にこそ重大な問題があります。日本共産党は4月、「新卒者の就職難打開へ――社会への第一歩を応援する政治に いまこそ、国、自治体、教育者、そして企業と経済界が真摯な取り組みを」を発表し、政治が以下の課題にとりくむよう力をつくしています(http://www.jcp.or.jp/seisaku/2010/20100421_syuusyokunann_dakai.html)。

――新卒者の求人と採用を増やします。

 新卒者の求人が減少している大もとには、景気悪化だけでなく、非正規雇用の拡大があります。非正規雇用を拡大した労働法制の規制緩和を抜本的に見直し、雇用のあり方を非正規雇用から正規へと転換し、新規採用を増やします。

サービス残業根絶など、異常な長時間労働を是正して、雇用を増やします。公務・公共分野での非正規化をストップし、正規雇用への流れをつくります。社会保障の削減から拡充への転換、環境重視の政治への転換で新規雇用を創出します。

――就職活動のルールの確立や就職活動する学生支援など、就職活動を改善します。

 「3年生から就活に追われる」――就職活動の早期化・長期化は、学生にとって負担であるだけでなく、大学教育にも支障を生み、企業にも大きな損失となります。会社説明会や面接の開始日などでルールを確立するなど、学業と両立でき、学生負担を軽減する就職活動のルールをつくります。少なくとも卒業後3年間は「新卒扱い」として就職あっせんの対象とするよう、政府が企業や大学を指導することが求められています。

 奨学金の返済猶予の拡充はじめ、就活する学生への支援をおこないます。新卒未就職者への職業訓練の提供などの対策を強化します。

――「新卒者雇用確保・促進法」を制定し、採用計画の策定、内定取消の防止など、企業の社会的責任を明確にします。地方での求人開拓などの取り組みを支援します。

学費負担を軽減し、教育の機会均等を保障します

高校入学から大学卒業までにかかる費用は1人平均1000万円超――高い学費が、生徒や学生、その家庭に重くのしかかっています。学費を捻出するため毎日深夜までアルバイトをして体を壊したり、進学をあきらめる若者がふえていることは放置できません。

憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(第26条)を保障し、教育基本法は「すべて国民は……経済的地位……によって、教育上差別されない」(第4条)と明記しています。国際人権規約は、「高校や大学の教育を段階的に無償にする」と定めており、欧米のほとんどの国で高校の学費はなく、大学も多くの国で学費を徴収していません。

貧困な教育政策を根本的に転換し、高校教育、大学教育の無償化をめざします。当面、経済的理由で学業を断念する若者をこれ以上出さないため、次の緊急策を実施します。

――高校授業料の無償化をすすめます。先進国(OECD加盟30ヶ国)で高校に授業料があるのは日本を含め4ヶ国(韓国、イタリア、ポルトガル)にすぎません。今春始まった「高校無償化」をさらに前進させ、私立高校が入学金等の負担が重いことを考慮に入れて、私立高校も無償化をめざします。当面、年収500万円以下の世帯の無償化など、現行制度の拡充をはかります。低所得層への交通費等の支援の制度をつくるとともに、「無償」措置の年限制限などの不合理な制度を是正します。不登校の子どもの学習への公的支援を強めます。

――返済不要の「給付制奨学金」の創設など、奨学金制度の改革で支援を強めます。国の奨学金をすべて無利子に戻し、イギリスのように一定の収入(年300万円)に達するまで返済猶予を拡大します。給付制奨学金制度がない国は、先進国では日本、メキシコ、アイスランドの3ヶ国だけです。経済的困難をかかえる生徒・学生への「給付制奨学金制度」をつくります。

――大学の「世界一の高学費」を軽減します。国公立大学の授業料減免を広げ、私立大学の授業料負担を減らす「直接助成制度」をつくります。「学費の段階的無償化」を定めた国際人権規約に加わりながら、無償化条項を留保したままという国は、日本、マダガスカルの2ヶ国のみです。留保を撤回し、国の姿勢を転換し、学費を計画的に引き下げます。

18歳選挙権を実現します

若者の声を政治に生かす立場で、18歳選挙権を実現します。世界では18歳選挙権が常識です。18歳以上の若者が、社会を構成する「成人」として一人前の法的・社会的な権利と責任を果たせるよう、必要な改革をすすめます。


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