日本共産党

しんぶん赤旗

会議・報告

全国都道府県委員長会議

山下副委員長の討論のまとめ

2025年11月7日

積極的な討論ありがとうございました。6中総では、「集中期間」を「日本とわが党の前途にとって、命運がかかったもの」と設定しました。その命運がかかった「集中期間」が、残念ながら不十分な到達にあり、それを打開しようと開催したのが今日の会議でした。つまり、この会議自身が、「党の命運がかかった」会議だったということです。そういう会議で、出席した都道府県委員長のみなさん全員が発言され、決意を固めあうことができた。一堂に会した県委員長会議としては初めてのことです。この会議は、まさに画期的、歴史的な会議として成功したのではないでしょうか。

「集中期間」成功の「三つの意義」が深められた

幹部会報告では、「集中期間」を成功させる「三つの意義」について、あらためて強調しました。6中総決定で、「三つの意義」の基本点は述べられています。これをさらに踏み込んで明らかにしたのが、今度の幹部会報告の重要な特徴となっています。

討論でも、この意義を自らに引き寄せてしっかりつかんでこそ力が出るということが、こもごも語られました。

ぜひ、新たに解明した「集中期間」の「三つの意義」を、各県・各地区でも深めていただきたい。繰り返し立ち返って力にしていただきたい。このことをまずよびかけたいと思います。

党員拡大の自己検討深め、「よびかけ」の徹底活用を

そのうえで、討論をふまえて3点述べたいと思います。

第一は党員拡大の問題です。幹部会報告では、党員拡大がほとんど止まった状態から脱していないことに、現在の運動の最大の問題点があると述べましたが、この点での自己検討と決意が語り合われました。

岐阜県委員長は、中央から入ったオルグの同志が、新しい党員を迎える経験をつくってくれたことを紹介したうえで、この経験から何を学ぶのかを議論したと述べました。中央のオルグの同志以上に、少なくとも県の常任委員は、地区の常任委員会の会議を含めて毎週必ず地区には入っている。しかしそうした変化はつくりきらなかった。「そこには『集中期間』でありながら、入党ゼロが続いていることをわれわれ自身がどう受け止めていたのか、『集中期間』のそもそもの意義を地区や支部に語りながら、それとはかけ離れた取り組みになっているのに、そのことの痛みも、責任も感じないという悪慣れの姿勢があったのではないか」、そう自己検討した。そして幹部会報告の三つの点で徹底して事態の打開をはかっていきたいと述べられました。大変大事な姿勢だと思います。

今日は、みなさん自己検討を深められたと思うのですが、それぞれの県委員会、地区委員会でも、6中総と今日の幹部会報告にもとづいて自己検討していただきたい。そこから党員拡大の新たな前進がはじまると思います。

党員拡大を実践的に突破するカナメは、新しい「入党のよびかけ」の徹底活用だということも語り合われました。報告を視聴されたある県の青年・学生部長は、感想文でこう言っています。

「今週、民青県グループ会議で新しい『入党のよびかけ』を読み合わせて、討議する中で党への確信と誇りが生まれ、誰にこの『よびかけ』を渡そうかと、5人の名前と分担が決まり、話し合いの約束を取り、11月から足を踏み出そうとなりました。新しい『よびかけ』だけで、1時間、討議と具体化ができました」

この「よびかけ」を読み合わせただけで具体化ができるということです。ぜひこれを徹底活用しようではありませんか。今度の「よびかけ」は、赤いリーフとして印刷をして、みなさんのところにお届けします。“赤リーフ”として全国的に徹底活用していただきたいと思います。

「赤本」で党が質的発展をとげつつある

第二に、志位議長の『Q&A いま「資本論」がおもしろい』(「赤本」)の学習です。党機関でも、支部でも、学ぶことの楽しさが広がって、党が質的に新たな発展を遂げつつあることが示されたと思います。

ある県の書記長からは、中央決定の討議も表面的に感想を出し合って終わっていることが多かった労組グループが、6中総を受け、「赤本」を学習したら、「私の給料はこんなもんだからこんな生活。これって搾取だよね」と、みんなが“自分事”で語る支部会議に質が変わってきたと紹介がありました。同県の別の労組グループでは、「赤本」の学習を提起すると、ベテランの同志から、“なぜ今その本なのか”と斜に構えた答えが返ってきたのに対し、常任委員が「ここで『赤本』学習をやらなかったら、この人たちの成長を切り捨ててしまうことになる」と、実際に学習を始めると、「これは自分たちだけではもったいない、幹事の仲間にも知ってもらいたい」と、組合の幹事会でも「赤本」の学習をやろうと相談をしているということでした。始めてみると、この中身のおもしろさ、科学的社会主義と『資本論』への確信が党員としての誇りを呼び起こして、大きな力になっている。書記長の同志は、「『赤本』の学習支部はまだ21%。いち早く50%を超え、全支部の学習にして『集中期間』の力にしていきたい」と発言されましたが、全党的にも2割ですから、この立場で100%の支部に「赤本」の学習を広げ、世界観的確信を全党にみなぎらせていこうではありませんか。

「赤本」が、党外の方々にも響くものだということも討論で紹介されました。

千葉県委員長は、駅頭でのシール投票の対話で「最近、『赤本』というのが話題になっているそうですね」と聞いてきた女性が、その場で民青に加盟し、その後、「赤本」を読んで山添拓政策委員長のトークライブに参加し入党するという経験も生まれていると発言されました。党外の方々も、資本主義の矛盾にさらされながら、悩みながら、打開の展望を模索している。そういう方々に、ストレートに「赤本」が響くということだと思います。ぜひ「赤本」を党内の学習にとどめず、若いみなさん、労働者のみなさんにおおいに広げようではありませんか。

同時に、討論では、70代の女性の方が「赤本」を3日で読んだと入党され、さらに同居している102歳のお母さんも排外主義に怒っていて一緒に入党されたという話もありました。人間は何歳になっても成長できる。それが科学的社会主義の人間観です。若い人、労働者だけでなく、ベテランの方、高齢の方も、一緒に「赤本」で成長していく立場で、全党の学習にしようではありませんか。

役割光る「しんぶん赤旗」――目標をやり抜き国民的ジャーナリズムに

第三に、「しんぶん赤旗」の役割が光った討論だったと思います。

高市政権の「危険性」とともに、「弱さともろさ」を日々明らかにしているのが「しんぶん赤旗」です。そして、維新の藤田共同代表の税金還流疑惑のスクープが、高市自民・維新連立政権に痛打をあたえています。

大阪府委員長から、大阪の各事務所に「赤旗」を読みたいという人たちから、こんな声が寄せられていると紹介がありました。「もっとスクープを出して、維新をやっつけてください」「自宅前に張り出したいから『赤旗』がほしい」「維新がやってきたインチキを大々的に国民に知らせていくチャンス」「『赤旗』がんばれ!」「共産党は一歩も引くことなく追いつめてほしい。正々堂々とたたかってほしい」「電子版を申し込みます」などなど、強烈な反応が寄せられている。これは、大阪だけではないと思います。

全国で「自民・維新の連立はおかしい」と思っている方々に、今度のスクープは大きく響き、政界も揺り動かしています。それを、わが党の「赤旗」が高市政権発足直後に繰り出した。読者拡大で「集中期間」の目標を何としてもやり抜いて、「赤旗」を守り抜き、さらに国民的ジャーナリズムとして発展させるために頑張ろうではありませんか。

会議のあとの実践が勝負

以上、みなさんの討論から学んだことを述べました。会議は成功したと思います。しかし、会議の後の実践が大事です。これからが勝負だと思います。

「集中期間」はあと2カ月をきりました。走りながら今日の幹部会報告の中身を徹底し、徹底しながら実践する。こういう立場で、今日の会議を力に「集中期間」の現状を打開し、必ず目標をやり抜こうではありませんか。その決意を固め合うことをよびかけて、会議のまとめといたします。ともに頑張りましょう。