2011年9月2日(金)「しんぶん赤旗」

築地「移転」

汚染対策 大手が独占

清水・大成・鹿島… 談合? 落札率97%


 東京都が行った築地市場(中央区)の移転予定地、東京ガス工場跡地(江東区豊洲)の土壌汚染対策工事の一般競争入札で、談合の疑いが浮上しています。8月29日に行った3件の入札では、清水建設、大成建設、鹿島、大林組など大手ゼネコンの共同企業体(JV)が受注。落札額は計541億円で、入札に参加した15社がすべて落札、予定価格に対する落札額の比率(落札率)の最高は97%と高率です。

 東京ガス工場跡地は、環境基準の4万3000倍のベンゼン、シアン化合物、ヒ素などの有毒物質で高濃度汚染されていることが都の調査で判明、東日本大震災では液状化現象が多発しました。日本環境学会などが欠陥対策だと批判し再調査を求めているにもかかわらず、都は欠陥だらけの汚染土壌・地下水対策、液状化対策の工事発注を強行しようとするものです。

 仮設の土壌汚染処理プラントをつくる6街区(12・6ヘクタール)は、清水・大林・大成・鹿島など10社JVだけが入札し、333億4275万円(落札率97%)で落札しました。

 5街区(12・4ヘクタール)と7街区(12・9ヘクタール)の入札はともに2グループだけ。鹿島・大成・東亜・西松など6社JVが119億1750万円(同93・9%)、大成・鹿島・熊谷など5社JVが89億1450万円(同94・7%)でそれぞれ落札しました。

 豊洲移転工事をめぐっては、建設業界関係者から「大手がもれなく受注できるよう調整している」との声があがっていました。


JV使った談合

 全国市民オンブズマン連絡会議幹事(談合問題担当)の大川隆司弁護士の話 新市場予定地の土壌汚染対策工事入札は中小企業を排除し、1〜2グループのJVしか入札させず、大手ゼネコンがそろって受注した。JV契約という形の究極の談合だと思う。土壌汚染対策工事は新市場建設のファーストステップで、除染後には地盤の基礎工事、本体工事が予定されている。今回受注した清水、鹿島、大成など大手が今後、それぞれのゾーンで工事を受注する可能性があり、放っておけない問題だ。





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