2011年5月2日(月)「しんぶん赤旗」

風評被害も賠償対象に

紙氏追及 首相“次の指針に盛るべきだ”

参院予算委


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(写真)質問する紙智子議員=1日、参院予算委

 日本共産党の紙智子議員は1日の参院予算委員会で、福島第1原発事故で農業や水産業などが受けた「風評被害」について取り上げ、原子力損害賠償紛争審査会の「第1次指針」が示した損害賠償の対象に入っていないことを指摘し、「風評被害も出荷停止と同じだ。第2次指針には入れるよう指示すべきだ」と要求しました。菅直人首相は「次の段階で入れるべきだと考える」と述べ、第2次指針に盛り込むべきだとの考えを示しました。(詳報

 紙氏は、原発事故は広範囲に甚大な被害を及ぼしており、「東京電力と政府が全面的な賠償を行うことは当然だ」と主張。「明日からの生活は成り立たないとの痛切な訴えが出ている。指針に入っていればすぐに(支払いの)話が進められるのになぜ入らないのか」とただしました。

 高木義明文部科学相は「詳細な調査がいる」と答弁しました。

 紙氏は、「もう待てないというのが現場の声だ」と指摘し、「5月の審査会では第2次指針に必ず入れるよう首相が決断すべきだ」と追及しました。鹿野道彦農水相も「2次指針に何としても入れるよう強く働きかける」と答えました。

 紙氏は、福島第1原発周辺1市2町2村に設定された「計画的避難区域」の農家数は8648戸、水田は7626ヘクタール、牛約1万8000頭、豚約3万8000頭に及ぶとして、「牛や豚を残したまま自分だけ移動できない」「収入が絶たれる」との住民の声を示し、「被災者にこの先の道筋を具体的にどういう段取りでやるのか示すべきだ」と質問しました。

 菅首相は、放射線量が大幅に抑えられ、原子炉が冷温停止状態にあるという東京電力が示した工程表の第二段階になれば、「具体的な段取りが申し上げられる」と答弁。紙氏は、土壌汚染を取り除くことなどを提起し、避難住民に希望と展望を与えるために道筋を政府として具体的に示すよう求めました。





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