2011年4月26日(火)「しんぶん赤旗」

島の歴史変える日に

東京・大島町長選

前党町議の川島理史氏


 「大島の歴史を変える日になった」―。太平洋に浮かぶ伊豆大島で24日投開票された東京都大島町長選で、日本共産党町議を4期務めた「新しい大島をめざす町民の会」の川島理史(まさふみ)氏(58)=無所属新、日本共産党推薦=が1992票(得票率35・90%)を獲得し初当選しました。原動力になったのは町民不在の町政を変えたいという幅広い町民の願いでした。(東京都・川井 亮)


町民に推され1月立候補決意 演説聞き「みんな変わった」

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 大島町は東京から120キロ南にある伊豆大島からなり、人口8500人。つばき油の産地として有名で、観光や農漁業が主な産業です。

 藤井静男町長の情報を公開せず、住民不在の町政運営に、町民の大きな批判が高まっていました。

町政改革訴え

 川島さんの大島高校生時代に教諭として勤務して以来の付き合いという男性(82)は「今の町長は自分の姿勢に固執し、町民の声を聞かない我田引水の姿勢だ。川島君は人間性が豊かで活力もある。今の大島を変えるのは川島君以外にいない」と話します。

 2億円をつぎ込む公共駐車場の整備計画を、町民にまともな説明もなく計画を変更。無償借用契約が切れた屋内ゲートボール場の解体費用4700万円を、負担義務もないのに町が全額負担。

 日本共産党町議団が「支出のまともな根拠もない事業で、税金の無駄遣いだ」と厳しく追及。昨年末から年初にかけ、広範な町民から「この町政を変えられるのは川島だけだ」と川島氏に立候補を求める声が高まり、町議選に立候補を予定していた川島氏は1月、「町民の強い期待と、自分の町議としての経験、実績を考えれば、決断するしかない」と町長選立候補を決意しました。

 町長選告示直前の17日には、川島氏の勝利をめざす演説会が開かれ、異例の300人余が参加。川島氏が(1)情報公開と町民参加など分かりやすい開かれた町政(2)地域経済と産業の振興(3)介護・子育て支援の充実―の町政改革プランや、三原山噴火による島外避難(1986年)を経験した島として東日本大震災への復興支援を強める政策を訴えました。80代の男性が「川島さんは国賊だと思っていたが、話を聞いて目からうろこが落ちた」と発言しました。

「島の活力を」

 町長選は元町議会議長や観光協会会長など過去最高の7人が立候補する大激戦でしたが、保守系候補の陣営の人からも「みんな、理史さんの訴えを聞いて変わったよ」という声が寄せられ、次点候補に600票余の大差をつけての勝利となりました。

 男性は「島の将来展望を持った川島君の目が、これからの大島には必要。町民と行政が一つになれる町政を進めてほしい」と話します。

 島の主力産業の観光業は長引く経済低迷で観光客が大幅減少。さらに東日本大震災で観光も農漁業も大きな打撃を受けています。

 島で生花を栽培する男性(70)は「これまでの町政のように道路や箱ものなど土木中心という間違った税金の使い方では、町民のためにならない。福祉や農漁業でもお金が生きる使い方に切り替えてほしい」と語ります。

 川島氏は「島の経済も大変苦しい状態。震災の支援や経済対策など緊急の施策から一つ一つ手を打って、島の活力を取り戻したい」と決意を込めました。

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