2011年3月6日(日)「しんぶん赤旗」

爆音直後に土蔵全壊

岡山・津山 米軍2機低空飛行


写真

(写真)井口さん(右)から被害を受けたときの様子を聞く末永市議。右奥が全壊した土蔵、左側は屋根が壊れた母屋=5日、岡山県津山市上田邑

 岡山県津山市で、米軍機の低空飛行により民家の土蔵が全壊する被害がありました。

 被害が出たのは、同市上田邑(かみたのむら)の井口貞信さん(66)宅。5日、日本共産党の末永弘之津山市議が訪ねて見舞いました。

 米軍機が低空飛行したのは2日午後3時すぎ。家のなかにいた井口さんは「ドッドッドと、なんともいえん爆音がして家全体がガタガタゆれた。地震かなと思っていたら屋根瓦が落ちて、表に出て見たらメリメリと音がして蔵がドカッと倒れた」と話します。

 井口さんは、土蔵のそばの洗濯場にいる母親のカズノさん(88)を心配し、「洗濯をしていて被害にあってないか」と一番に探したといいます。

 カズノさんは家の前の道にいて「ウオーという音がきょうとう(怖く)て地面にはいつくばって震えとった。どえらいことで死ぬかと思うた」と話します。

 土蔵のなかにあった電動自転車と洗濯機、布団をしまった長持ち、土蔵の外に置いていたもう一台の洗濯機も壊れました。電話線も切断されて不通となり、土蔵と接していた母屋の屋根やガラス戸も壊れる被害が出ました。

 末永市議は4日午後、井口さんを訪ねて被害状況を知り、ただちに市に出向き調査と対応を求めました。これを受けて、県の職員が井口さん宅に駆けつけ、土蔵の全壊や洗濯機、母屋などが壊れる被害が出ていることを確認し同日、中四国防衛局に通報しました。

 津山市田辺の工事現場で働いていて低空飛行を目撃した男性(55)は「ものすごい爆音がして、見上げたら米軍機が2機飛んで山にぶつかるかと思った」と話していました。


 米軍機の低空飛行 米軍機の低空飛行訓練について、日本では何ら制限がありません。日本の航空法では最低安全高度が居住地域で300メートル、非居住地域では150メートルとされ、それ以下での飛行は禁止されています。しかし、米軍機は適用が除外され、訓練飛行ルートも公開されていません。

図




■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp