2011年3月4日(金)「しんぶん赤旗」

住宅リフォーム 申し込み 長蛇の列

初日で当初予算の2倍 滋賀・近江八幡市

経済効果 助成額の18倍


 滋賀県の琵琶湖東岸に面する近江八幡市は住宅リフォーム助成制度を昨年度と今年度に続いて来年度の実施をめざして予算案に計上しました。今年度は1日だけで当初予算分の2倍の申し込みがある好評ぶりで、地域経済への波及効果も大。建設関係の中小業者や市民から再実施への期待が高まっています。(竹田捷英)


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(写真)申し込み窓口となった近江八幡市の商工観光労政課

 住宅リフォーム助成制度への市民の期待の大きさは昨年8月16日の申し込み受け付け初日に「事件」としてあらわれました。

市役所前で徹夜

 窓口になっている市商工観光労政課の担当者は「驚きました」と繰り返しながら、その日の様子を話します。

 「一番に申し込もう」と前夜8時ごろから市役所前で2人が徹夜で待ちました。当日は早朝から受け付け待ちの列ができ、受け付け開始の午前8時半には150人余りが市役所を取り巻くように並びました。

 「昨年のあの暑さでしたから、急きょ市役所の冷房のある会議室を開放して、そこで待ってもらうようにして受け付けしました。前代未聞のことです」

 初日の申し込みは282件。4500万円の予算を組み150件程度に助成を予定していた市の予想を1日で大きく上回りました。

 申し込みをしても助成を受けられなかった人たちの救済が課題となりました。市は急きょ9月に4000万円の追加予算を組んで、すべての人に行き渡るようにしました。

 建築工事業一筋、50年以上という男性(70)が語ります。

 「廃業も覚悟しなければならないほど仕事が不足している状態だったのが、このリフォーム助成で逆に仕事が忙しくなって、応援を得てやってるほどです。解体業、塗装業など関連業種にも仕事が回って喜ばれています」

修繕などに15%

 同市の助成制度は、市民の住宅の修繕、補修、模様替えなど10万円以上の工事に対し、経費の15%の助成をするもので、最高限度額は30万円。工事は市内に本社がある法人や個人の施工業者を利用するとし、中小の業者に仕事が回るようになっています。その目的を「多岐にわたる業種に経済効果を与え、個人消費を促して地域経済の活性化を緊急に支援するため」とうたっています。

 築30年の自宅和室を洋風に改築するのに助成を受けた主婦は、「30万円の助成は大きいですよ。思い切って改築しようという気になりました」とうれしそうに語ります。

 70歳以上の高齢者と、障害者の場合は、3万円以上の改修工事に対して助成率を50%(限度額は30万円)に引き上げ、これも喜ばれています。

 市は経済効果額を約13億円と推計。助成額(7200万円)の18倍の効果があったとしています。

 同市には制度に注目して県内外の5市の職員、議員が視察に訪れています。

業者団体と党の運動で復活

 市では2003年度から3年間実施していたこの制度を中断していました。しかし長引く「不況」のもと中小業者の仕事減に対する緊急対策として同制度の実施を求める運動が県建築組合八幡支部、湖東民主商工会などによって行われ、09年度から復活しました。

 日本共産党市議団は、ほぼ毎議会で同制度の再開と、継続実施を求めて市に要求を続けてきました。

 市議団は、4月の市議選に向け同制度の継続実施や官公需の分離分割による地元中小企業への発注など地域経済活性化への政策を訴えて奮闘しています。





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