2011年1月22日(土)「しんぶん赤旗」

三大銀 中小企業に支援

押しつけ金融商品の損失で


 三大銀行が、通貨デリバティブ(金融派生商品)で多額の損失を出した中小企業に対し、資金繰り支援に乗り出そうとしていることが分かりました。

 急激に進んだ円高の下で、大銀行が中小企業に販売していた為替関連の金融派生商品に多額の損失が発生し、中小企業の経営を圧迫しています。中小企業が銀行に解約を求めると、億円単位の「違約金」が求められる事例も生まれています。金融庁には2009年度と10年度にそれぞれ50件を超す相談が寄せられています。

 みずほ銀行は、損失を出した中小企業に対し、契約の中途解約に柔軟に対処し、解約費用の融資も含めて対応するとしています。三井住友銀行は、「既に行内に部門横断的なプロジェクトチームを設置」し、顧客への対応の検討を開始。三菱東京UFJ銀行は、損失を出した取引先については、融資も含め「個別の問い合わせや相談に真摯(しんし)に対応する」としています。

 各行とも、金融庁がこの問題を重視しているとして、同庁と情報交換をしているといいます。

 民間信用調査会社の東京商工リサーチによると、通貨デリバティブの多額の損失によって企業が倒産する「デリバティブ損失倒産」が10年にすでに26件発生しています。


中小企業の救済は当然

 大門実紀史参院議員の話 大銀行が自ら販売した金融リスク商品により中小企業の経営が破綻しかねないような事態になっていることに対し、手を差し伸べるのは当然です。みずほ銀行が口座開設という立場を利用して融資先の中小企業に通貨デリバティブを押し付けたことなどを国会で告発し、デリバティブ販売に関する銀行の監督指針の一部を強化させました。損失の実態の早急な調査と、被害を受けている中小企業の救済が求められます。





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