2011年1月18日(火)「しんぶん赤旗」

埼玉26市町 住宅リフォーム助成

住民も建設業者も笑顔


 住宅のリフォーム(改築)や増築の際に経費の一部を自治体が補助するのが住宅リフォーム助成制度です。住民に笑顔を広げ、長く続く不況で苦しむ中小・零細業者の仕事を増やし、地域経済を活性化させます。日本共産党の地方議員のネットワークの力が、同制度を全国各地に広げる上で大きな役割を果たしてきました。埼玉県でみてみました。(中東久直)


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(写真)県の住宅リフォーム助成制度創設や商店街振興などを訴える山川すみえ埼玉県議(中央)と、ふじみ野市の鈴木実(左)と足立しづ子(右)の両市議=15日、ふじみ野市の上福岡駅前

県知事も「創設検討」

「共産党の質問 迫力があった」

 日本共産党の山川すみえ埼玉県議(西5区・ふじみ野市の一部〈旧上福岡市〉=定数1)は昨年12月の県議会で、県に住宅リフォーム助成制度の創設を求めました。上田清司知事が「検討させる」と答弁、零細な建設業者や職人の切実な要望実現へ前進しました。

 上田知事は、県内の住宅リフォーム市場が増改築を含め3000億円規模と推計され、「環境対策やバリアフリー対策として補助に取り組んできた」と答弁。しかし、住宅リフォーム一般は「個人の資産に税金の投入になりかねない」と最初は否定的でした。

 山川議員は再質問に立ち、国土交通省が「住宅は、単に個人の私的財産と考えているのではなく、安全、環境、福祉、文化といった地域の生活環境に大きな影響を及ぼすという意味で社会的性格を有する」としていることなどを指摘し、再考を求めました。これに対し上田知事が「担当部局に検討させる」としたものです。

 県議会を傍聴した埼玉土建一般労働組合ふじみ野支部の男性は「再三県に要請しても一顧もしてくれなかったが、知事に答弁を変えさせた。県民の声をしっかりつかんだ質問は迫力があります」と話します。

 県担当部長答弁によれば、県内の市町が実施している住宅リフォーム助成制度の利用実績は24市町合計で1450件、補助金総額は1億270万円ほどです。(2009年度)

 建設労働者や一人親方らでつくる埼玉土建本部技術住宅対策部の関係者は「要請や申し入れなどの運動で、県内64市町村中26市町に広がりました。きっかけは川口市からで、その後、深谷市や秩父市などが多額の予算を確保して実施しました。いま特徴的なのは八潮市、新座市、草加市などの制度です」といいます。

拡充や簡素化で利用件数が増加

 零細な業者が多い八潮市では02年度に住宅改修資金補助金制度を実施。しかし、09年度までの年度ごとの利用は0〜17件にとどまっていました。日本共産党八潮市議団(4人)は、八潮民主商工会、埼玉土建八潮支部などの団体や市民とともに制度の充実を求めてきました。市議会でも繰り返し、制度拡充を迫りました。昨年9月議会で、10万円以上20万円未満の市内の業者が行う改修・増築工事の場合50%、20万円以上の場合は一律10万円にと制度拡充、申請の簡素化が実現しました。

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(写真)住宅リフォーム助成制度で、2階のベランダを新しくした埼玉県八潮市の家。右は郡司伶子八潮市議

 「畳替え・クロスの張り替え・建具・断熱サッシなどの内装工事」が新たに対象になりました。昨年10月15日から受け付けが開始されて3週間余で、約300件、3000万円の予算枠を達成。1億円を超える受注がありました。12月議会で2000万円の予算を確保。1月13日から第2弾の受け付けを開始し、初日は145件の申請がありました。

 郡司伶子市議団長は「制度の拡充とともに、申請を簡素化して、市が広報を強めたことが利用件数増につながりました」と語ります。八潮民商では「1日に2、3件の見積もりをやったという畳屋の人がいた」といい、埼玉土建八潮支部では「市民も、業者も喜ぶ制度です。『7、8件の仕事が入り、やりきれないほどだった』と話すサッシ屋さんもいた」と話します。

 新座市では、日本共産党の、こじか伸衛市議が6年間にわたり市議会で住宅リフォーム制度の実施を求めてきました。09年7月、50万円以上の増改築工事に5%(10万円限度)の補助をする制度を実施させました。

 09年度は利用38件、補助金241万円(契約高5151万円)で、10年度は11月までで利用76件、補助金527万円(契約高1億3473万円)となっています。

 こじか市議は「市民への広報が強められたことがよかった。昨年12月議会で新たに150万円の補正予算が組まれました。さらに制度拡充を求めていきたい」といいます。

地域経済元気な埼玉県をめざす

 埼玉県では、住宅リフォーム助成制度とともに、競争入札資格のない業者を自治体に登録して小規模な工事を発注する「小規模工事登録制度」が、埼玉土建のまとめによれば64市町村中61市町に広がっています。埼玉県議団(やぎした礼子団長)は「県民の運動と結んで、公契約条例の制定、住宅リフォーム・耐震化助成、市町村の小規模工事登録制度を活用した発注の促進など、地域経済を元気にする埼玉をめざし全力を尽くす」としています。





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