2010年10月22日(金)「しんぶん赤旗」
住宅地陥没 原因は国策の亜炭採掘
共産党が調査
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岐阜県御嵩(みたけ)町の住宅地で20日発生した大規模陥没で、日本共産党御嵩支部と、隣市の伊藤健二、冨田牧子両可児(かに)市議が21日、現地を視察し、渡辺公夫町長と懇談しました。
現地は、地面が東西64メートル、南北76メートルにわたり、深さ最大3メートルまで沈み、立ち入り禁止になっています。けが人はでていませんが、住宅は6棟が傾くなど被害が出ています。周辺の9世帯23人は町の教員住宅や親せき宅へ避難しています。
同町では1960年代まで国の奨励で亜炭採掘が行われ、今も地下に多くの空洞が残っており、陥没がたびたび発生しています。現場周辺では07年、09年にも大規模な陥没が起きています。県は、今回の陥没も亜炭鉱が原因と発表しました。
党支部の出雲重之氏らは、被害状況を住民に聞きました。09年の陥没で家が傾き、可児市に仮住まいしている男性(64)は、「町でやってもらえたのは陥没した地面の復旧だけ。地下空洞は放置されたままで、これでは解決にならない」と語りました。
懇談で渡辺町長は、町内の空洞をすべて埋めるには500億円以上の費用がかかることを説明し、「国策で掘られ、戦後の復興を支えてきた炭鉱です。根本的な予防を国にお願いしたい」と語りました。伊藤市議は「ここ数年で続発する大きな陥没は、それぞれ別個の事故ではなく拡大する一連の災害なのだという認識で、国に早急の対策を訴えます」と答えました。
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