2010年4月28日(水)「しんぶん赤旗」

町工場集積の低下 懸念

10年版中小企業白書 “製造業弱体化にも”


 政府は27日、中小企業庁提出の2010年版中小企業白書(09年度「中小企業の動向に関する年次報告―中小企業の動向」)を閣議決定しました。

 今年の「白書」は、厳しい環境のなかで、中小企業発展の道を探るとして、東京都大田区と静岡県浜松市、東大阪市の中小製造業集積を分析しました。いずれの集積でも、製造業の根幹を支える高度な技術や工程を担い、域内外から仕事を獲得してくる「ハブ」企業(とりまとめ役企業)やコア(中核)企業が存在すると指摘。これらの企業が、さまざまな製造技術を持つ集積内企業と取引することでネットワークが形成されているとしています。

 しかし、いずれの集積でも事業所数が急減。1986年から2006年の間に大田区で41・9%、東大阪市では39・6%、浜松市では31・7%、それぞれ減少しました。「白書」は、事業所や従業員数の減少は、集積「密度の低下」を招き「わが国製造業の競争力の低下につながる」と懸念を表明。「わが国の製造業を支える高度な技術や工程が集積内に維持されることが不可欠である」としました。

 製造業の発展にとって、ハブ企業やコア企業を中心とするネットワークによる新製品・新技術の開発、新事業の創出が重要だとしています。

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