2008年7月30日(水)「しんぶん赤旗」

燃油高対策

政府、直接補てん盛る

漁民「使いやすいものに」


 政府は二十八日、原油高騰による燃料費の増大に苦しむ漁民に対する支援策をまとめました。支援策には条件付きで燃料費上昇分の九割を直接補てんすることも含まれています。

 政府の支援策は「燃油高騰水産業緊急対策」。(1)省燃油実証事業の創設(2)省エネ機器等導入の支援(3)省エネ操業の支援(4)休漁・減船などの支援対策(5)国際漁業対策(6)流通の多様化などを通じた手取りの確保―など総額七百四十五億円です。このうち、直接補てんは新設される省燃油実証事業で八十億円の予算を計上しています。

 この事業で直接補てんを受けられるのは、五人以上の漁業者のグループが省エネ機器の導入などによって、燃料使用量を10%以上削減した場合に限られます。

 この間、政府は「省エネが問題になっているときに、燃油価格を下げるような対策は取れない」などとして、直接補てんに背を向けてきました。今回、条件付きとはいえ直接補てんを認めたのは、漁民の窮状が無視できないほどになったことに加え、一斉休漁をはじめ、漁民・国民の声が政治を動かした結果です。

 漁業関係者からは、すべての漁民が使いやすいものにすべきだとの声が出ています。また、予算額も不十分であり、政府の緊急対策を歓迎する談話を発表した全国漁業協同組合連合会(全漁連)も「すべての漁業者が、安心して漁業を継続できるよう、今後とも必要な財源の確保等に万全の対応」をするよう求めています。



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