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日本共産党

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赤旗

2012年総選挙政策 各分野政策

35、国会改革・選挙制度改革

「民意がとどく国会」を実現するため、選挙制度の抜本改革をすすめます

2012年11月


(1)小選挙区制を廃止し、民意が正しく反映する比例代表中心の選挙制度に抜本改革します。民意を切り捨てる比例定数削減には断固反対します。

①「身を切る改革」・比例定数削減は、民意を切り捨て、増税を押し付けるものです

 野田首相は、解散の条件として「議員定数削減」をもちだし、選挙後の国会で実行することを民主・自民・公明の3党で合意しました。民主党の定数削減の主張は、現行制度で「多様な民意の反映」を確保するための比例代表選出議員の定数を80削減するもので、まさに民意を切り捨てるものです。しかも、野田首相は「国民の皆さんに消費税増税をお願いする以上、政治家も身を切る改革が必要だ」と、消費税増税と一体で定数削減を主張してきました。

 日本国憲法は、国民が主権者であり、「日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」すると前文の冒頭に明記しています。国民の代表で構成される国会の役割でもっとも大事なことは、政府を監視し暴走させないようにすることです。ところが、主権者の民意を反映するための国会議員を削減して「国民の身を切り」すてたうえ、消費税増税という「負担」を国民に押し付けようというのが「身を切る改革」の正体です。

 議員定数をふくめ選挙制度のあり方は、議会制民主主義の根幹をなす問題です。消費税増税の是非と定数削減はまったく別の問題であり、ましてや公約違反の「言い訳」にするなどもってのほかといわねばなりません。

 比例定数80削減は「民意の反映」を削るものです。現行でも並立制で小選挙区とリンクさせられて比例代表制の機能が十分発揮されない問題がありますが、比例定数80削減によって総定数の4分の3が小選挙区議席となり、比例代表のブロック定数が3人、4人のところがつくられるなど比例代表は形だけとなり、限りなく単純小選挙区制に近づきます。少数政党を閉め出し、民意のゆがみはいっそう拡大します。

 衆参の国会議員の総定数は、80年代には、それぞれ512(衆院)、252(参院)でした。ところが、この20年の間に衆参ともに定数が削減され、現在では、衆院480、参院242議席となっています。ただ定数が削減されただけでなく、選挙制度そのものが民意をゆがめる制度とされたために、国民の声が国会に届きにくくなっています。

 総定数について1議席が何人の国民を代表しているかをみると、現行の衆院定数(480)は、人口約27万人に1議席の割合です。イギリス、ドイツなどヨーロッパ諸国(下院)では10万人に1議席の水準であり、日本は国際的に議員が少ない国となっています。また、わが国の普通選挙法1925年制定時に「人口12万人で1議員を配当」したことからみれば、議会政治史上もっとも少ない水準です。これ以上、「国民の代表」を削減するべきではありません。

②小選挙区制を廃止し、民意が正しく反映する選挙制度に抜本改革します

 現行の選挙制度の最大の問題は、衆議院の小選挙区比例代表並立制のもとで、比較第一党が4割台の得票で7割もの議席を独占することです。1994年に導入されて5回の総選挙が実施されましたが、この実態は明瞭です。05年総選挙では、自民党(小選挙区)が47.8%の得票率で73%の議席を獲得し、09年総選挙では、民主党(小選挙区)が47.4%の得票率で73.7%の議席を占めました。それぞれ比例代表選挙でも得票に応じて議席を上積みし、4割台にすぎない得票率にもかかわらず300議席台という絶対多数議席を政権党に与えました。得票率と議席占有率に大きな乖離があります。民意をゆがめて、比較第一党の「虚構の多数」をつくり出しました。その一方で、議席に結びつかない「死票」は各小選挙区投票の過半数を超え、投票総数の半分近く3300万票もの投票(民意)は議席に反映されません。少数政党は、得票率にみあった議席配分を得られず、獲得議席を大幅に切り縮められました。大政党の有利に民意をゆがめる小選挙区制の害悪は、否定できない事実です。

 このもとで小泉・安倍らの自民党政権時代、郵政民営化から教育基本法、改憲手続き法など「数の力」で押し通す政治が横行しました。また「虚構の多数」で政権交代を実現した民主党政権は、国民から「白紙委任」をうけたかのようにふるまう一方、「普天間は最低でも県外」「消費税は4年間増税しません」などの公約を平気で踏みにじる政治をすすめました。このもとで、18年前、「政治改革」と称して小選挙区制導入を推進した政治家からも「失敗」と「反省」が語られ、「政党の堕落」「政治家の劣化」が指摘されています。

 衆院選挙制度の改革をめぐる各党協議会では、制度そのものの是非が議題となり、民主党以外の全ての政党が「現行並立制が民意をゆがめている」との共通した認識を表明し、多くの党が「民意を反映する抜本改革が必要」と主張したことは重要です。民主党は比例定数80削減に固執し各党協議を一方的にうちきった責任がきびしく問われなければなりません。いま国民の間でも世論調査で「抜本改革」をもとめる声が7割を超えています。民意の反映する選挙制度への抜本改革を実現すべきです。

 選挙制度で最大の基準は、民意を鏡に映しとるようにできる限り正確に反映することです。どの制度が、どの政党にとって有利か不利かといった観点で決めてよいものではありません。また多数党が自分の案を一方的に押しつ付けたり、二大政党の「談合」で決めるなどは、民主主義の土台づくりでは決して許されません。国会を構成するすべての政党が真摯に抜本改革の協議をつくし、合意を得てすすめることが重要です。

 ●日本共産党は、衆議院選挙制度の抜本改革について、小選挙区を廃止し、現行総定数(480)のまま、全国11ブロック毎の比例代表選挙にすることを提案します。比例代表制度は、民意を正確に反映するもっとも民主的な制度です。

 同時に、中選挙区制(3~5人区)への改革も、小選挙区制の害悪を取り除き、民意の反映を保障する方向での抜本的改善につながるものとして、選択肢としていきます。

 ●野田首相が「解散」の条件とした小選挙区「0増5減」は、わずか1時間余りの審議で民主・自民・公明などの賛成多数で成立しました。野田首相は「違憲状態を解消するため」としきりに強調しましたが、「0増5減」は、最高裁が「違憲状態」とした「1人別枠方式」による配分はそのまま残して、格差が2倍を超える選挙区をなくすだけのびほう策にほかなりません。しかも、実際の総選挙は現行の区割で実施するのであり「違憲状態」の解消という言い分は矛盾しています。

 最高裁判決は小選挙区制の存在を前提にして判断を示したものです。現行選挙制度の最大の問題である民意をゆがめる小選挙区制をやめ、比例代表制中心の選挙制度に改革する中で格差問題も解消すべきです。「0増5減」の区割り作業に審議会が着手しましたが、これで小選挙区制を維持・固定化し、抜本改革を棚上げすることは許されません。

 ●参議院議員選挙制度について、先の臨時国会で民主・自民両党が共同提出して成立させた「4増4減」は、4・746倍もの格差を容認するもので、最高裁「違憲状態」判決の指摘した、投票価値の平等という憲法上の要請にこたえるものでないことは明らかです。日本共産党は、現行制度の抜本改革は不可欠との前提にたち、「西岡私案」の「全国11ブロック比例代表制・総定数242維持」を「たたき台」として各党協議をすすめることを改めて提案します。

(2)政党助成制度を廃止します。企業・団体献金を禁止します。政治資金は「国民の浄財」に依拠したクリーンな政治に変えます

 政党助成金制度が1995年に導入されて18年たちます。年間320億円もの血税が日本共産党以外の各政党に毎年ばらまかれ、その総額は5555億円に達しています。この間に各党が受け取った金額は、自民党2540億円、民主党1629億円、公明党414億円、社民党335億円にもなります。

 日本共産党は、国民の税金から政党が活動資金を分け取りすることは、政党を支持していない国民にも有無をいわせず"献金"を強制するものであり、「思想・信条の自由」や「政党支持の自由」に反する憲法違反の制度であると厳しく指摘してきました。本来、自主的自立的にまかなわれるべき政党の政治資金を国民の税金に依存することは許されないと主張し、きっぱりと受け取りを拒否してきました。

 重大なことは、政党助成金制度が、政党と政治家の堕落と劣化をもたらしていることです。

 日本共産党以外の政党は、政党の運営資金の大半を政党助成金でまかなっています。政党助成金依存率は、民主党が約8割、自民党が約7割となっています。制度導入当初は「過度に依存しない歯止め」の議論がありましたが、まさに「税金に過度に依存」するいわば「国営政党」というのが実態です。自らは税金に依存しながら、国民に増税を押し付ける、まさに厚顔無恥の態度であり、断じて許されません。

 今回の総選挙前に新党が乱立し離合集散をくりかえしましたが、その背景には「5人以上の国会議員をあつめれば政党助成金をもらえる」ということが動機の一つになっています。政党は、何よりも、国民の中で活動し、国民の支持を得て、政党の活動資金をつくる、というのが政党としての基本です。政党が一般国民から浄財を集める努力をしないで、税金で党財政をまかなっていると、次第に感覚が麻痺して、庶民の痛みがわからなくなるのです。政党助成金だのみの政党をつくりだす制度が、「虚構の多数」をつくりだす小選挙区制とあいまって政党・政治家の堕落・劣化を生み出しているのです。このような「有害」な税金の使い方は許されません。

政党助成金制度はきっぱり廃止します

 政党助成制度は、もともと金権政治一掃をもとめる国民の批判にこたえるため、1994年「政治改革」で「企業・団体献金の廃止」とひきかえにという口実で導入されたものです。ところが実際には、「政治家個人に対する企業・団体献金は禁止するが、政党には認める」とされ、政党・政党支部を受け皿に企業・団体献金を温存しました。政治家が党支部をたくさんつくって企業・団体献金を受け取っているのです。現在、総務省届出だけでも、企業・団体献金を受けることのできる支部は、民主、自民、その他の政党もあわせると8809支部にのぼっています。国民の税金である政党助成金をうけとりながら、もう一方の手で企業・団体献金を受けとり、「企業・団体献金も、政党助成金も」というありさまです。「政治とカネ」をめぐる疑惑は、政権交代後も途切れることがありません。

 そもそも、企業献金は、本質的に政治を買収する賄賂です。ただちに全面禁止すべきです。政治資金は「国民の浄財」であり、国民一人ひとりが支持する政党に資金を拠出することは、国民の政治に参加する権利そのものです。営利を目的とし、選挙権をもたない企業に政治献金の自由を認めるべきではありません。

 日本共産党は、政党助成制度を廃止し、企業・団体献金の全面禁止を主張します。国民の浄財に依拠したクリーンな政治資金制度を確立するべきです。

 同時に、日本共産党は、こうした方向を主張するだけでなく、政党助成金を拒否し企業団体献金を受け取らないことをみずから実行しています。

(3)選挙活動の自由拡大を求め、公選法改正をすすめます

日本の公職選挙法は、「べからず選挙法」といわれるように、さまざまな規制が設けられています。これは政治的民主主義や国民の参政権の保障という点でも、重大な問題です。国政選挙に立候補する場合、供託金は比例代表で600万円、選挙区で300万円必要です。1回の選挙に立候補するのに、これだけの資金を融通できる一般国民がどれだけいるでしょうか。諸外国の供託金は、隣の韓国が180万円、欧米諸国は、ほとんど10万円前後です。日本共産党は供託金を大幅に引き下げることを求めます。

 また、戸別訪問の禁止をはじめ、選挙期間中のビラ、ポスターの配布規制、インターネットを使った選挙活動規制など「禁止・規制法」としての性格をもっている公職選挙法を根本的に改め、主権者である国民が気軽に多面的に選挙に参加できる制度に変えることを要求します。

 世界の8割以上の国で実施されている18歳選挙権の実現をめざします。

(4)国民の意見を反映する「徹底審議」の国会に改革します

 民主党は「政治主導」「政治家同士の議論」などと称して、内閣法制局長官の答弁禁止など国会の行政監視機能を形骸化する方向で「国会改革」をすすめようとしましたが、鳩山・菅内閣が公約違反や震災対応で政権運営につまずくと、一転して“官僚依存“をつよめ、「改革」は頓挫しました。一方、2010年参院選で敗北後、民主党政権は、「ねじれ国会」の下で自民・公明両党との政局がらみの取引に終始し、3党で「対立」と「談合」の駆け引きをくりかえしてきました。子ども手当法、東日本大震災復興基本法、原子力規制委員会設置法、社会保障・税一体改革法など多くの重要法案で、水面下の3党協議がおこなわれ3党が修正で合意するや、それまでの審議の積み重ねなどおかまいなしに質疑打ち切り・採決という3党談合の国会運営がくりかえされました。

●「徹底審議」の国会めざす

 政府提出法案等の審議では、「対立」と「談合」の駆け引きに終始するのではなく、本会議・委員会での徹底した質疑を通じて問題点を国民の前に明らかにし、国民的な議論を反映しながら合意の形成をはかり結論をだす「徹底審議」の国会に改革します。

 そのため質疑時間は議席率による按分ではなく、少数会派の議員にも十分な質疑時間を保障すること、修正案についても十分な質疑を求めます。また専門家や関係者を参考人招致し、多様な国民の意見を直接聞く公聴会をもっと活用します。

衆参いずれかの院で10議席以上なければ党首討論ができないというような、少数政党を不当に国会審議の場から排除したり、発言の機会を少なくしたりしている取り決め(申し合わせ)を抜本的に改めることを要求します。「国会活性化」の名で首相・閣僚の国会出席義務を制限する取り決めは廃止します。

 国会請願については、請願者から趣旨を聴取し質疑するよう改善を提案します。議案提案権の人数要件を緩和し、議員立法の活発化を図ります。

●国会の国政調査権、政府・行政監視機能の強化

 国会のもっとも重要な役割の一つが政府・行政の監視機能です。東電福島原発事故では東電・政府による資料隠しが横行し、事故の実態や対応状況を明らかにするための国会の国政調査権、行政監視機能の重要性を改めて示しました。国政調査権を背景に設置された国会東電原発事故調査委員会が提言した、事故の継続調査のための第三者機関や国会常設委員会として原子力問題特別委員会の設置をすすめ、監視機能を強化します。

 政府・行政実態の解明のため、行政責任者(官僚)、公的機関への質疑、関連企業の責任者の証言を求めます。政府・行政機関等が議事録の作成・公表を怠り、「黒ぬり公開」などの情報隠しも横行しています。国政に必要な行政資料・情報の公開を徹底します。秘密保護法の制定は許しません。

 

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