2011年6月30日(木)「しんぶん赤旗」
玄海原発 いらんばい
住民 経産相の再開要請に抗議
佐賀
海江田万里経済産業相は29日、佐賀県を訪れ、古川康知事、岸本英雄玄海町長らと会談し、定期検査のため停止中の九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の2、3号機の再開へ協力を要請しました。県庁前では市民ら約100人が「玄海原発再稼働するな」「原発からの撤退を」などのプラカードや横断幕を掲げて抗議し、「原発はいらんばい」の声を上げました。
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「安全宣言」は無責任
県庁で古川知事と会談した海江田経産相は、東京電力福島第1原発の事故について「地震ではなく、津波で電源が失われたのが直接の原因だ」と断定。「玄海原発では、緊急時の電源の確保など、福島第1原発事故の教訓を踏まえた緊急安全対策が取られている」と“安全性”を強調しました。
古川知事は会談後に記者会見し、玄海原発2、3号機の再開について「安全性の問題と立地自治体(玄海町)の理解の2点はクリアされた」との認識を明らかにする一方、「県議会の議論も踏まえて判断したい」とし「今日の説明をもって再開への了承をするわけではない」と述べました。
県庁前での抗議行動に参加した佐賀市の主婦(67)は、「古川知事が原発を推進する海江田さんと会うことは、そのまま容認するようなもの」と批判します。「福島原発の収束の見通しもないのに『安全だ』とはとても思えない。子や孫たちの安全のために再稼働はしないで」と話しました。
年金者組合佐賀支部の男性(67)は「海江田大臣は全国に先駆けて佐賀県の玄海原発を再開させるために来たのだから、古川知事はきっぱりと断るべきだった。大地震と津波、原発事故で多くの被災者が故郷に戻れない状況のなかで、どうして再開できるだろうか」と語りました。
日本共産党の武藤明美県議の話 海江田経産相は「安全性は確保された」と言いますが、何をもって安全と言うのでしょうか。無責任な「安全宣言」で再稼働を強制するなど許されません。これで「安全性はクリアされた」などと言う知事の認識は甘いと言わざるを得ません。知事は「再生可能エネルギーの普及」をうたっているのですから、運転再開を認めず、原発からの脱却の道を示すべきです。
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