2011年3月4日(金)「しんぶん赤旗」
超高層マンション建設
とげぬき地蔵のお寺も「待った」
「景観壊す」住民結束 東京・巣鴨
「とげぬき地蔵尊」で有名な高岩寺のある東京都豊島区の巣鴨地蔵通り。その周辺に超高層マンション計画が持ち上がっています。お年寄りに人気の商店街として親しまれる下町の景観を破壊する動きに、地元住民や高岩寺住職らが立ち上がり、日本共産党豊島区議団も現地調査を行いました。 (森近茂樹)
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超高層マンションの建設予定地は、地蔵通りに隣接する旧豊島青果市場駐車場跡地。昨年、民間企業が取得しています。現状では跡地前の区道が幅6メートル未満のため、建ぺい率が小さく高層化する条件を満たしていません。
しかし、開発に名乗りを上げた不動産開発業者(本社・豊島区)が地元側に示した計画案は、周囲の区道や現在使用していない区施設などを取り込んで、幅の広い都道「白山通り」に面する形になっています。そのため建ぺい率は大幅に上がって、高さ100メートル、30階建てが可能になります。
すでに開発業者は、豊島区にたいして共同開発の提案をし、用地所有企業とも折衝していると地元住民に説明しています。
この計画にたいして高岩寺の来馬明規住職が「景観破壊のモンスターマンション」だと批判。商店会や町内会役員も反対を表明して阻止のための相談会を行いました。2月2日には、来馬住職、巣鴨街づくり協議会会長らの連名で「計画に豊島区が加担しないよう」に求めた陳情書を区議会に提出しました。
一方、開発業者は高岩寺に「お布施」の名で開発計画がうまくいった場合は7千万円を秘密裏に寄付すると申し出るなど、懐柔策に奔走。住職は寄付を拒否し、いっそう開発業者への不信感を強めています。
共産党が現地調査
日本共産党区議団(6名)の儀武さとる、森とおる両区議と吉良よし子都政・青年・雇用対策委員長らは2月16日、超高層マンション建設予定地を現地調査しました。その後、高岩寺で来馬住職から計画の問題点について説明を受けました。
党区議団と高岩寺住職の懇談は初めてでしたが、「力を貸していただきたい」という住職に、党区議は「建設反対のために全力でがんばります」と決意を語りました。
住職らの陳情は同月22日、区議会都市整備委員会において全会一致で採択されました。
巣鴨地域で活動する儀武区議は、こう語ります。
「地元が力を合わせてすすめてきた巣鴨の街づくりを無にするモンスターマンションは、断じて認めるわけにはいきません。これからも住民とともにがんばります」
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