2011年1月29日(土)「しんぶん赤旗」

中小企業支援を政治の柱に

市田書記局長の代表質問


“仕事がほしい”の声に応えよ

 いま政治がなすべき課題の大きな柱は、企業数の99%、雇用の7割を占める中小企業への支援だ――。市田氏はこう迫りました。

 中小企業が単価切り下げなどに苦しむなか、2011年度予算案で下請け取引の適正化に関する費用はわずか7億円、今年度と比べても1億円減らされています。市田氏は「中小企業予算を主役にふさわしく大幅に増やすべきだ」として公正取引ルールの確立や最賃引き上げへの支援などを求めました。

 「仕事がほしい」という中小企業の声に応えて全国200近い自治体で住宅リフォームへの助成制度が広がっています。市田氏は、助成額の10倍から20倍を超える経済波及効果が生まれていると指摘し、国による支援強化を求めました。

 首相は「住宅市場を活性化させる観点から住宅リフォームの推進はきわめて重要だ」と答弁。「住宅リフォーム助成制度については社会資本整備総合交付金を活用することができ、今後とも支援していく」と述べました。

緊急保証打ち切るな

 市田氏は資金繰りにあえぐ中小企業の“命綱”となっている「景気対応緊急保証制度」について3月末で打ち切るべきではないと迫りました。

 「国会でもたびたび議論が交わされ、制度の重要性については共通の認識にいたっている」と指摘した市田氏。実際、継続を求めた昨年11月の日本共産党の笠井亮衆院議員の質問に首相は「趣旨は共感するところも多い」と答えており、12月の衆院経済産業委員会では、継続を検討するよう求める決議が全会一致で可決されています。

 首相は、全業種対象の「景気保証」は「本年度末で期限切れを迎える」と打ち切りを当然視しましたが、別のセーフティネット保証制度の業種基準を緩和すると述べました。

「こんな無理・無体はない」

大企業・大金持ちに減税 庶民に増税

 菅政権が掲げる「税と社会保障の一体改革」について市田氏は、「政府がやっていることは社会保障の切り捨てばかりではないか」と述べ、社会保障拡充への転換を迫りました。

 市田氏がとりあげたのは国民健康保険料(税)と介護保険制度です。

 高すぎる国民健康保険料のため、滞納世帯は445万世帯(加入世帯の約2割)となり、滞納を理由に、不当にも保険証を取り上げられた世帯は152万世帯にものぼります。

介護保険 特養ホーム増設へ手だてを

 特別養護老人ホームの待機者は42万人(2009年)です。10年前と比べて4倍となり、“老老介護”や“認認介護”など介護の困難が広がり、介護を苦にした無理心中も後を絶ちません。

 市田氏は、こうした実態を示し、お金がなく必要な医療が受けられない世帯への支援や、国庫負担増で国保料負担を軽減するよう要求。特養ホーム建設のための国庫補助金の廃止を見直し、増設の手だてをただちに講じるよう主張しました。

 菅首相は特養ホームの建設については「喫緊の課題」との認識を示したものの、待機者の半分にも満たない現行の建設目標をあげるだけでした。

 市田氏は、財政が大変と言いながら大企業や大金持ちには減税を行い、庶民には社会保障を切り捨てながら消費税増税を押し付けようとしていることを「こんな無理・無体なことはない」と批判。財源は、大企業・大資産家減税の廃止や、思いやり予算など軍事費を削る、政党助成金を廃止する―「こういう方向こそ追求すべきだ」と主張しました。


 「景気対応緊急保証制度」 金融機関が行う中小企業向け融資を公的機関である信用保証協会が100%保証する制度です。対象は全業種。これがなくなると中小企業は民間金融機関からの借り入れが難しくなります。


TPP問題 しっかり論陣

市田氏質問に反響

 28日の参院本会議での日本共産党の市田忠義書記局長の質問を聞いた人たちから党本部に寄せられた声を紹介します。

 三重県在住の男性は「市田さんの質問に感謝しています。とくにTPPの問題でしっかりとした論陣を張っているのは、共産党以外ありません。メディアがさかんにTPP賛成論をあおっているなかで、共産党の役割はピカイチです」と述べました。

 東京在住の男性は「他の党がTPPではっきりと態度を示さないなかで、共産党は問題を理解され、はっきり反対する態度を打ち出して大変心強い。本当にがんばっていただきたい」と語りました。

 新潟県長岡市の女性は「質問を聞きながら、あっそうだ、そうだと思いました。いま高齢者問題は、ほんとうに深刻な問題になっています。深刻な問題と受けとめないメディアの責任が大きいです。すばらしい質問でした。しつこい雪で配達や全戸配布は大変ですが、がんばります」と話しました。





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