2010年9月9日(木)「しんぶん赤旗」

円高から中小企業守れ

衆院経産委 吉井議員が政府に要求


 「10人いたがみんな辞め、いまは夫婦でやっている」――日本共産党の吉井英勝議員は8日の衆院経済産業委員会で、町工場の集積地・大阪府東大阪市を調査した際の中小企業の声を紹介し、政府に円高対策を求めました。


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(写真)質問する吉井英勝議員=8日、衆院経済産業委

返済繰り延べ・金利下げ

 吉井氏は、「仕事がないというのが切実な声だ。仕事がなければ雇用も守れない。このままでは不況をひどくし、ものづくりの技術も失われる」と述べ、購買力平価でみた場合、為替相場より実勢相場が1ドル約50円も円高になっている為替レートを是正するための対策を求めました。

 直嶋正行経産相は、日銀と一体となった金融対策や10日に決定する新たな経済対策の実行を表明しました。

 吉井氏は、実勢とかけ離れた円高の大本には、下請け単価たたきや派遣労働など低賃金雇用によって日本の輸出大企業が強すぎる競争力をつけたことがあると力説。「日本の産業構造にメスを入れないと問題は解決しない」と強調しました。

 吉井氏が、円高要因として投機マネー流入があると指摘し、金融取引税など実効ある投機規制を求めたのに対し、直嶋経産相は「国際的な議論を見ながら、国内でも議論していきたい」と述べました。

 吉井氏は、融資の返済が困難になっている中小企業が増えているとし、返済期間の繰り延べや金利引き下げ策を要求。また、民需の落ち込みで官公需の役割を高めなければならないときに、国や自治体が発注する契約で落札額が仕入れ価格を下回る過度な低価格競争が生じていると指摘し、対策を求めました。直嶋経産相は、低価格競争が激しくなっていることを認め、ダンピング防止に取り組むことを明らかにしました。


 購買力平価 各国通貨でどのくらいの物を買えるかを基準に通貨同士の交換比率を決める方法。ある物の価格が米国で1ドルであり、同じ物が日本で100円であれば、1ドル=100円となります。為替市場の交換比率は投機やさまざまな短期的要因で変動するため、より客観的に通貨の交換比率を定めようとするものです。





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