2007年1月14日(日)「しんぶん赤旗」

盧政権「4年2期制」提案

韓国 大統領選へ政局急展開


 十二月に大統領選挙が予定されている韓国の盧武鉉大統領は九日、大統領の任期を五年一期限りとしている憲法を改定し、四年で再選可能な「四年二期制」に変えるよう提案する特別談話を発表しました。五年一期では任期後半にレームダック(死に体)状態になり、一貫性と連続性のある政治を推進できない―というのが理由。大統領選挙の時期を任期四年の国会議員選挙と一致させることも提案しました。韓国内では、この提案を機に大統領選挙に向けた政局が一気に動き出したとみられています。

学界も昨年提案

 大統領の提案に対し、与党・開かれたウリ党は「四年二期制は学界、市民団体、与野党すべてが主張してきたもの」と支持を表明。野党第一党のハンナラ党は「国政失敗の責任を逃れ、政局主導権の掌握と大統領選挙での勝利を狙った政治攻勢」だとして提案撤回を求めました。

 野党第二党の民主党と第三党の民主労働党は、盧政権下での改定には反対ですが、四年二期制には賛成しています。

 韓国の憲法学会は昨年九月、四年二期制への憲法改定を提案。市民団体の多くも支持しました。ただ、憲法論議が政争の具になるのではないかとの懸念も出ています。

 四年二期制は盧大統領当選時の公約です。大統領は早期に憲法改定を公式に発議すると言明、四月か五月までには憲法改定を実現させたいとしています。しかし、改定には在籍国会議員の三分の二以上の賛成を得た上で、国民投票で投票総数の過半数確保が必要。ハンナラ党が国会で三分の一を超える議席を得ている現状では、改定は困難とみられています。

実現視は少数派

 各種世論調査によると、四年二期制に六割が賛成、三割が反対。一方、盧政権下での憲法改定には三割が賛成で六割が反対という結果です。

 ハンナラ党は十日の議員総会で「憲法改定論議にはいっさい応じない」と決めましたが、大統領選挙の有力候補と目される朴槿惠・前代表も四年二期制を主張してきた経緯があります。政党支持率で圧倒的な優位に立っていながら、憲法論議が政局に与える影響に警戒を強めています。

 一方のウリ党は、支持率の低下を打開するために新党結党を推進中。これに強く反対する盧大統領は求心力を低下させていましたが、憲法改定の提案を機に政局全体に一定の影響を及ぼすとみられています。

 盧大統領は十一日の記者会見で、自分の政治活動を振り返りながら、「私は決して政略で政治をやらない」と強調、政局主導狙いという見方を否定しました。

 今のところ、憲法改定が実現するとみる人は少数派ですが、「学界と市民団体の大勢が四年二期制に共感を示している上に、民心も賛成に回れば、ハンナラ党もただ反対というわけにはいかなくなる」(YTNテレビ)との指摘もあります。

 ウリ党幹部の側近は本紙に対し、「大統領の提案をきっかけに、ハンナラ党勢力と非ハンナラ党勢力という大きな対決構図が形成される可能性」を指摘します。

 「大統領は、自分が推し進めてきた地域主義の打破、南北和解と北東アジアの平和、平等な米韓関係という目標に間違いはないと確信している。大統領選挙に向けて、こうした目標を共有する勢力の再結集の起爆剤になることもありうるのではないか」と、この幹部側近は語りました。(面川誠)


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