2007年1月12日(金)「しんぶん赤旗」

他の事務所費 実は別に計上

弁明は偽りだった

伊吹文科相

収支報告書の虚偽記載濃厚


 伊吹文明文部科学相、松岡利勝農水相らが賃料のいらない議員会館に資金管理団体の「主たる事務所」を置きながら巨額「事務所費」を支出していたことが、「政治とカネ」の問題として急浮上してきました。伊吹文科相は、「東京と京都にある別の事務所の賃料を計上していた」と弁明しましたが、本紙の調べで十一日、そのウソが明らかになりました。

 伊吹文科相の資金管理団体「明風会」の政治資金収支報告書によると、二〇〇五年に約四千百四十六万円の事務所費を計上していました。政治資金規正法施行規則によると、「事務所費」の定義は、政治団体の事務所の借料損料(地代、家賃)、火災保険料、電話使用料、切手購入費、修繕費などです。

 議員会館は賃料がいらないため、四千万円を超す「事務所費」には、自民党関係者からも「電話や切手など通信費を入れてもこんな額にはならない」という声があがっています。

 伊吹文科相の事務所は、「議員会館の事務所とは別に、東京と京都に事務所があり、家賃が年間計千八百万円ほどかかる」と説明しています。

 ところが、東京・平河町にある「明友会」や、京都市下京区に同居する伊吹氏が支部長の「自民党京都府第一選挙区支部」、「自民党京都府明風支部」、関連政治団体の「新風会」とも、それぞれが事務所費を計上しています。(図参照)

 伊吹氏側は、「飲食を含む会合費としても三百万―四百万円かかっている」ともいいますが、政治活動費の「組織活動費」として処理すべきものであり、資金流用そのものです。

 昨年末には、佐田玄一郎行政改革担当相が、計上した架空の事務所費を何に使ったか説明できず、辞任に追い込まれました。「領収書を取れないものもあり、人件費と事務所費でしか処理できない」と合理化を図る伊吹氏も佐田氏同様、政治資金収支報告書の虚偽記載にあたる可能性があります。

 事務所費の問題は、本紙が三日付で「家賃ゼロの衆参議員会館に 多額の『事務所費』支出 自民・民主議員ら18人が年1千万円超」と報じたのをきっかけに、メディアがいっせいに取り上げました。

図

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