2007年1月11日(木)「しんぶん赤旗」

迂回献金疑惑 公設秘書は金庫番

衛藤議員 責任逃れは通用せず


 自民党衆院議員の衛藤征士郎元防衛庁長官(大分2区)の公設第一秘書が私設秘書時代、情報冊子の「購読料」名目で約一億四千万円を集めた迂回(うかい)献金疑惑で、衛藤氏は「秘書のしたこと」と責任逃れを図っています。ところが、本紙の調べで同公設第一秘書が衛藤氏の事実上の“金庫番”であることがわかり、そんな言い逃れが通用しないことが浮き彫りになりました。


 調べたのは、総務相と大分県選挙管理委員会に提出されている政治資金収支報告書。公設第一秘書は、衛藤氏の資金管理団体「新21世紀政治経済研究所」の会計責任者と事務担当者を兼ねているのをはじめ、多くの関連政治団体の会計責任者や事務担当者を兼任しています。(図参照)

 二〇〇五年の政治資金収支報告書によると、資金管理団体「新21世紀政治経済研究所」は、東京の帝国ホテルや、大分市のホテルなどで「セミナー」名目で政治資金集めパーティーを計十七回も開催、約七千七百万円を集めています。

 また、公設第一秘書が会計責任者兼事務担当者である「二十一世紀政治経済研究所」「関西二十一世紀政治経済研究所」がそれぞれ「新春を寿ぎ、出版を祝う会」「大阪特別セミナー」などの名目で集めたパーティー収入から計五千万円の“上納”があります。まさに、衛藤氏の中心的な政治団体です。

 衛藤氏が支部長を務め、公設第一秘書は会計責任者の「自民党大分県第二選挙区支部」は、地元業者の企業献金や自民党本部からの政党助成金、日本自動車販売協会連合会などの団体献金がおもな収入となっています。

 文字通り、公設第一秘書は、衛藤氏の政治資金を一手に取り扱う金庫番です。

 衛藤氏は九日、「公設にしろ私設にしろ、一緒に仕事をしてるので当然、管理の責任はある」と道義的責任は認めました。しかし、衛藤氏の政治資金に深くかかわっている公設第一秘書だけに、「秘書のサイドビジネス」という説明では不十分です。

図

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