2006年12月21日(木)「しんぶん赤旗」

米の北朝鮮への金融制裁とは


 米財務省は昨年九月、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)について、北朝鮮当局が関与した米ドル紙幣偽造やたばこ密輸などの不法活動で得た資金の隠ぺいや移動といったマネーロンダリング(資金洗浄)や、偽造米ドル札の流通に関与した疑いがあるとの理由で、「資金洗浄の主要な懸念先」に指定しました。また愛国者法に基づく特別措置として、全米の金融機関にBDAとの取引を禁止しました。

 これを受け、マカオの行政当局はBDAを管理下に置き、同行に開設された北朝鮮関連口座を凍結しました。凍結された口座の数は五十。北朝鮮の銀行が二十、貿易会社が十一、個人が九、北朝鮮と取引があるマカオの企業が八、個人が二。資金の総額は約二千四百万ドル(約二十八億三千三百万円)といわれます。

 この措置が北朝鮮への金融制裁といわれるものですが、米政府は制裁ではなく「金融システムを守るための国内法の発動」だと主張しています。

 米財務省は十月二十五日、国外でのドル紙幣偽造と流通に関する報告書を発表。一九八九年に「スーパーノート」と呼ばれる精巧な偽造百ドル、五十ドル紙幣を初めて摘発し、調査を通じて北朝鮮との関係を確認したとしています。

 また、これまでに回収された偽造紙幣は約五千万ドル(約五十九億円)分に達するといいます。


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