2006年12月19日(火)「しんぶん赤旗」

6カ国協議再開

北朝鮮に核放棄迫る

各国代表が基調演説


 【北京=菊池敏也】十八日北京で始まった北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の全体会議で、各国の首席代表が基調演説を行いました。


 米国、日本、韓国の代表らは、北朝鮮に核放棄を迫り、昨年九月の第四回協議で採択された共同声明を具体化し、朝鮮半島非核化を実現するための提案を行いました。これに対し北朝鮮の代表は核計画放棄の前提として、米国の敵視政策放棄とあらゆる制裁解除が必要だと主張しました。

 日本首席代表の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は、昨年九月の共同声明で確約した核放棄に向け、北朝鮮に「早期の具体的行動」を取るよう要求。声明の迅速な履行のため、非核化やエネルギー支援など懸案ごとに相互に独立した作業部会を通じて「比較的短期間のうちに最終地点に到達することが重要だ」と提案しました。

 北朝鮮首席代表の金桂冠外務次官は、核放棄の前提として米国の敵視政策放棄と制裁解除を要求。制裁圧力強化が続くなら、核抑止力増強の措置をとると表明しました。

 また、朝鮮半島の非核化は故金日成主席の「遺訓」で、北朝鮮の「最終目標」と述べる一方、「条件が熟していない現段階で核兵器問題を議論する場合、核軍縮会議が不可避」と主張、核保有国の立場で交渉を進める姿勢を示しました。米国などが制裁圧力を続ければ、「核抑止力強化のための措置を取る」と、核実験の継続も示唆しました。

 これに対し米国首席代表のヒル国務次官補は、「共同声明の履行問題に集中すべき」と強調し、個別懸案を協議する作業部会を組織し、活動計画を立てることを提案。また、「米朝関係正常化を推進する用意がある」と述べましたが、それは朝鮮半島非核化が完全に達成された場合にのみ可能だとして、北朝鮮に核放棄を迫りました。


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