2006年12月10日(日)「しんぶん赤旗」

範囲縮小 根拠なし

難病の公費負担医療制度

「希少性」 93年 患者総数が基


 政府・厚生労働省は、難病患者を切り捨てる公費負担医療制度の適用範囲の縮小をねらっていますが、その根拠のなさが、政府答弁でいよいよ明らかになりました。


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(写真)難病患者の医療と暮らしを守れ、と開かれた全国患者・家族集会=11月12日、東京・港区

 同省は、難病であるパーキンソン病約七万三千人と、かいよう性大腸炎約八万人の患者が「おおむね五万人未満」とされる同制度の「希少性」の基準を超えることを理由に、来年度にも患者のうち九万人を公費負担医療の対象から除外しようとしています。

 「希少性」の基準は、一九九七年に厚生労働省の特定疾病対策懇談会で定めたもの。

 希少性の基準を五万人未満とすることの根拠について厚生労働省は日本共産党の小池晃参院議員に、「オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の対象疾患が五万人未満であること等にかんがみ」たものと答えています(十一月三十日、参院厚生労働委員会)。

 ところが、希少性の基準を決める際の参考とされたオーファンドラッグの指定基準(患者数五万人未満)は、そもそも当時の難病患者の最多数に基づくものであることが、一九九三年の薬事法改正のさいの政府答弁で分かりました。

 国会審議(同年四月二十日、参院厚生委員会)では、指定要件を対象患者数五万人未満とすることについて、岡光序治薬務局長(当時)が、「治療研究事業の疾患で対象者数が一番多いものが三万人程度で、これは対象者だから患者数にすればもう少し数が増えるかもしれない」「少し幅を考えたうえで五万人を一応の基準として考えた」と答弁しています。


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