2006年11月27日(月)「しんぶん赤旗」

いじめ巡り「しゃべり場」

東京 高校生、競争教育に疑問


 いじめを原因とする自殺が相次いでいることを受けて、いじめやその背景にある競争教育について高校生自らが語り合う「しゃべり場」が二十六日、東京都世田谷区内で開かれました。主催は、首都圏の高校生らでつくる「うちらの声を届けよう」実行委員会です。首都圏と大阪から、中高生など約七十人が参加。いじめられた体験がある人たちからの告発や、競争教育を加速させる教育基本法改悪に疑問を投げかける発言もありました。

 「このままでは誰かに殺されると思った」と語ったのは、都内に住むフリーターの女性(17)です。高校を一年生のときに中途退学しました。「学校に行くと、『何でまだ生きているの』といわれた。後輩を“奴隷”にしている先輩や、気に入らない後輩を自殺させる方法を本気で考えている人もいた」と、自身の体験を告発し、いじめ問題の解決を訴えました。

 大阪から来た定時制高校三年の男子生徒(17)は、中学生のときに競争教育のもとで不登校になった経験を「テストの点数が悪いといろいろ言われる。勉強についていけない。『自分はあかん』って思った。対人恐怖症になって、卒業式も出られなかった」と語りました。また、「教育基本法を変えたら、自分が苦しんだ競争教育がもっと激しくなるんじゃないか」と語り、「人間のあたたかみ」がわかる教育の大切さを訴えました。

 参加した高校生らはグループに分かれ、いじめ問題を解決するために何ができるかを討論。政府に対して「教育基本法を変えることを急ぐのではなく、いじめ問題を通して学校教育のあり方を真剣に考えてほしい」と求めるアピールを確認しました。


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