2006年11月19日(日)「しんぶん赤旗」
京都議定書会合が閉幕
13年以降も継続
温暖化防止 08年に協議で合意
【ロンドン=岡崎衆史】ケニアのナイロビで開かれていた京都議定書第二回締約国会合(COP/MOP2)は十七日、二〇一三年以降の地球温暖化防止の枠組みづくりのため、京都議定書の見直し協議を〇八年の第四回締約国会合で行うことを決め閉幕しました。〇五年に京都議定書の発効で始まった温暖化防止の取り組みが、本格的前進に向けて一歩踏み出しました。
地球温暖化に関する最新の情報に基づいて議定書を定期的に見直すことは、議定書第九条に規定されています。今回の決定により実施される〇八年の見直しは、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が来年発表する第四次評価報告書などに基づき、実施することになります。
温室効果ガス削減目標を史上初めて定めた京都議定書は、削減約束期間が一二年末で切れます。一三年以降も継続的に温暖化防止の取り組みを進めるため、議定書見直しに向けた道筋づくりが急がれていました。
会議は、▽「できるだけ早く」一三年以降の枠組みづくりを進める▽京都議定書の温室効果ガス削減約束期間と次の取り決めとの間に空白を設けない―ことを確認。環境NGOなどが強く求めていた見直し期限の設定は合意できませんでした。
会議で先進国側は、一二年末までの約束期間で温室効果ガス削減義務を負わない途上国を含めた温暖化防止の枠組みづくりを要求。これに対して途上国側は、ガス排出削減義務をまず果たすべき先進国の取り組みが不十分なもとで次の段階には進めないと反発しました。最終的に途上国側が折れ、議定書見直し作業継続で一致しました。
会議では、温暖化が要因とみられる洪水や干ばつなどの被害に見舞われている途上国を支援するため、「適応基金」の運営原則でも合意。同基金は〇八年にも運用が開始されます。
ナイロビ会合には、約七十カ国の閣僚を含む百八十を超える国の代表が出席しました。
京都議定書 国連気候変動枠組み条約に基づき一九九七年に京都で開かれた第三回同条約締約国会議で議決されました。地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量の削減を二〇〇八から一二年の間に一九九〇年比5%以上削減することを先進国に義務付けています。日本は6%、欧州連合(EU)は8%の削減義務を負います。7%の削減義務を負う最大の排出国・米国は〇一年に離脱しました。

