2006年11月19日(日)「しんぶん赤旗」
関係発展に向け対話
日中首脳会談
歴史研究など歓迎
【ハノイ=鈴木勝比古】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席のためハノイ滞在中の安倍晋三首相は十八日午前、中国の胡錦濤国家主席と五十分間にわたり会談しました。日中首脳会談は安倍首相が就任直後の十月に訪中して以来、二回目です。
安倍首相が冒頭、「両国関係を戦略的な互恵関係に引き上げるために努力したい」と述べたのにたいし、胡主席は「中日関係は重要な時期にさしかかっている。両国の指導者が発展を正しい方向に導くことが重要」と応じました。
日中関係について、双方は経済協力閣僚会議の早期立ち上げ、歴史共同研究、東シナ海共同開発などでの合意や確認を歓迎しました。この中で胡主席は歴史共同研究の合意を評価しながら、「歴史問題と台湾問題は日中関係の政治的基礎であり、適切に解決しなければならない」と強調しました。
胡主席はまた、「安倍首相が非核三原則を順守していることを高く評価する」と発言。安倍首相は「非核三原則は順守する。核保有国も核軍縮に応じてほしい」と応じました。
北朝鮮の核問題について胡主席は「六者協議が具体的成果をあげるように中日間の協力を強めたい」と述べ、安倍首相は「中国の努力を評価する。対話と圧力が必要だ」と述べました。胡主席は「六者による協力を推進して成果をあげたい。国連決議は真剣に履行する」と応じました。
安倍首相は「拉致問題の解決がなければ制裁は解除できない」と述べましたが、胡主席のこの問題についての発言はありませんでした。
安倍首相は胡主席の訪日を招請。胡主席は招請に感謝し、外交ルートで調整したいと述べました。

