2006年11月14日(火)「しんぶん赤旗」

核と戦争のない中東へ

エジプト 世界から科学者集う

パグウォッシュ会議始まる


 【カイロ=松本眞志】核兵器廃絶をめざす世界の科学者の集まりであるパグウォッシュ会議第五十六回年次大会が十一日、「過渡期にある地域―中東の平和と改革」をテーマに、エジプトの首都カイロで始まりました。十五日までの日程で、四十五カ国から二百人以上が参加し、核兵器と戦争のない中東をめざす展望を話し合います。

 アラブ連盟のムーサ事務局長は講演で、「中東から例外なく核兵器をなくすことを要求する」と訴え、パレスチナ問題では、イスラエルとパレスチナのハマス政権の双方に対し、互いの権利を認めるよう求めました。

 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長はビデオ演説で、イスラエルの核不拡散条約(NPT)未加盟に触れ、「中東地域から核兵器を含む大量破壊兵器を取り除かなければならない」と呼びかけました。

 開催国を代表して演説したエジプトのアブルゲイト外相は、同国の中東の非核化・核不拡散の分野での努力を語り、パレスチナ問題については、「和平プロセス再開に向けた国際社会の努力が必要となる段階にさしかかっている」と訴えました。

 この日、パグウォッシュ会議事務局長報告と「中東の安全保障の枠組みと民主主義の発展」をテーマにした会合が行われました。


 パグウォッシュ会議 正式名称は「科学と世界の諸問題に関するパグウォッシュ会議」。すべての核兵器と戦争の廃絶を訴える科学者によって主催される国際会議です。一九五七年にカナダのノバスコシア州のパグウォッシュ村で第一回会議を開催、〇五年には広島で年次大会が開かれました。


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