2006年11月11日(土)「しんぶん赤旗」

福岡県の小中学生

5年半で18人自殺

山口県議 原因調査を要求


 中二男子生徒がいじめを苦に自殺した福岡県で五年半の間、この男子生徒のほかに十八人の小中学生が自殺していたことが十日の福岡県議会で明らかになりました。日本共産党の山口律子県議の質問で判明したもの。

 山口県議が県警を通して調査したところ、二〇〇一年度から二〇〇六年度上半期までに福岡県だけで小学生六人、中学生十二人が自殺。高校生も三十九人が自殺しています。

 いじめによる自殺が福岡県で起こり、全国でも同様の事件が相次いでいることをどう受け止めているかをただした山口県議に対し、清原雅彦県教育委員長は「いかなる理由であれ、尊い若い命が失われたことは誠に遺憾。いじめ問題に全力で取り組むことが必要」と述べるにとどまりました。これだけの児童・生徒が自殺しているにもかかわらず、県教委は、どういう理由であったのかを明らかにしませんでした。

 山口県議は「いじめの実態把握に県教委は本当に全力で取り組んでいるのか」と強く指摘し、「五年半の間に高校生を含めると五十七人もの生徒が自ら命を絶っている。県教育委は、この自殺の原因を調査する責務がある」と再調査を要求しました。

 福岡県では、この間、いじめによる児童・生徒の自殺件数は一件もあげられていません。文科省の統計も七年間にわたって、いじめによる生徒・児童の自殺件数はゼロのまま。福岡県では「いじめ根絶」を教師の評価にかかわる数値目標として掲げているため、いじめの実態が県教委にあがらないと批判が上がっています。


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