2006年11月2日(木)「しんぶん赤旗」

成績上位校に生徒集中

東京・足立区の中学校

選択制と学力テストで序列化


 日本共産党の石井郁子議員は一日、衆院教育基本法特別委員会で、学校選択制と学力テストを導入した東京都足立区で成績上位校に応募者が集中する実態を示し、安倍内閣が教育基本法の改悪と一体ですすめようとする「教育再生」路線を批判しました。


衆院教基特で石井議員指摘

 東京都足立区では、二〇〇一年から小中学校の学校選択制を導入。全都いっせい学力テストに加えて二〇〇四年から区独自の学力テストを実施して、学校ごとの成績を公表しています。

 安倍首相は「教育再生プラン」でこうした制度を全国に広げる主張をしています。

 石井氏がグラフで示したのは、〇五年度の同区の学力テストの結果と〇六年度の入学応募者数の関係です(図)。学力テストの成績が上位の六校では、定員の上限を応募者数が大幅に上回っていますが、下位校では逆に下回っています。

 さらに同区では来年度から学力テストの結果によって学校を四ランクに分け、予算配分にも差をつけ、格差を拡大しようとしています。

 石井氏は、「義務教育の段階で“勝ち組”“負け組”の学校を明確化し、固定化するものだ」と指摘。義務教育段階で学校の序列化、選別化をはかることについて政府の認識をただしました。

 伊吹文明・文科相は、「義務教育段階では、できるだけ競争原理が入らない方がいい」と認める一方で「入れざるをえない学校の荒廃の現状というものも同時に認識(する必要がある)」などと答弁しました。

 石井氏は安倍流「教育再生」が教育基本法改悪と一体で、教育の格差をさらに広げるものであることを明らかにしました。

図

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