2006年11月1日(水)「しんぶん赤旗」

FMラジオ番組 市田書記局長語る

ワーキングプアは国民的問題

正義の声あげる運動を


 日本共産党の市田忠義書記局長は三十日、FMラジオ番組「ジャム・ザ・ワールド」(J―WAVE)に出演し、十三日の参院予算委員会で取り上げた「ワーキングプア」や教育の問題を中心に語りました。

 「予算委員会で安倍総理に厳しい質問をしていた」と紹介された市田氏は、ワーキングプアの実態について説明しました。「パートやアルバイト、非正規労働者は、いま働いている人の三人に一人。若者や女性だと二人に一人。だいたい千六百万人くらいで、その八割が年収百五十万円以下で生活保護水準以下。それが最近急激に増えているのが特徴です」

 司会の角谷浩一氏(政治ジャーナリスト)が「年収百五十万円となれば、生活という感じにならない」と応じ、リポーター・高橋杏美氏を交え、次のようなやりとりになりました。

経済発展阻害する

 角谷 この問題は、学校や就職、少子化と社会の抱えている問題全部につながってきそうだ。

 市田 そう思います。結婚ができず少子化の原因になる。正社員は“もっと大変な人がいるからがまんしろ”といわれる。ものづくり、技術力の継承ができない。そうなると日本の経済や社会の発展そのものも阻害する。全国民的な社会問題です。

 高橋 急激に増えた理由は?

 市田 コストを下げたい大企業側の要求と、労働法制の規制緩和で、そういう働き方を可能にした政府の方針です。

 角谷 派遣法の改正、労働条件は規制緩和のことばで自由化された。このあいだの質問でも偽装請負の違法(が横行している)。びっくりした。

 市田 実際は派遣なのに請負を装う。モノのように扱われるんです。どこが扱うか。人事課じゃない。物品課、資材課。文字通りモノ扱いです。

 角谷 「再チャレンジ」もへったくれもない。派遣にするといろいろ企業側が払わなきゃいけないから(偽装請負で)コストダウンできると…。

 市田 偽装と知りながらメーカー側は雇う。請負会社もけしからんが受け入れる企業側もけしからんと国会で追及したが、受け入れ企業名はいわない。しかし、さすがの安倍さんも法令違反があるならば厳正に対処するといいました。

地方でも問題深刻

 高橋 まじめに働いても報われない社会、正しいはずがない。

 角谷 地域経済が落ちこむなかで、地方にとってこの問題は深刻だ。

 市田 地方都市で企業を誘致しても派遣や請負労働者が定住せず、税金も徴収できないため、地域経済にも深刻な影響を与えています。ある市長は“国策の誤りだ”“地方経済疲弊に拍車をかける”といっている。

 「自分がワーキングプアと思ったらどこに相談すればいいか」との問いに、市田氏は次のように答えました。

 「個人加盟の労働組合もあるし、共産党に相談していただいてもいい。一人で悩んでいる人が圧倒的だ。そういう人々に声をかけて相談しながら、正義の声をあげようという運動をおこす責任がわれわれにあると思います」

 いじめなど教育の問題について市田氏は「世の中そのものが弱い者いじめの弱肉強食社会になっている」として、格差社会の固定化や非人間的な労働実態、お年寄りいじめの負担増などの自民党政治をあげました。

 最後に「これからめざすべき社会とは」の質問に市田氏は、「一言でいえば一人ひとりの人間が大切にされる社会です。額に汗して働く人、障害者やお年寄りに光を当てるのが政治の責任ではないか。それをやらずして何が『美しい国』かといいたい」と締めくくり、来年の参院選で躍進することを誓いました。


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