2006年10月29日(日)「しんぶん赤旗」

米、新型核開発を具体化

より小型で効果的

米紙 「廃絶には背」


 【ワシントン=鎌塚由美】米エネルギー省核兵器部門の核安全保障局(NNSA)はこのほど、二十一世紀中使える新型核兵器の開発構想「コンプレックス2030計画」に向けた環境影響評価を行うと発表しました。

 同計画は、米ソ冷戦時代の核関連施設の整理・統合を進め、二〇三〇年以降の「国家安全保障の挑戦」に対応すべく、「より小さく、より小型の効果的な」核兵器の開発・製造を進めるというもの。NNSAは四月、同計画の概要を議会に提示していました。ブッシュ政権が目指す、小型核兵器の開発・製造体制の構築の具体化です。

 同計画に基づき実施される環境評価は、〇八年春には最終報告をまとめ、同年秋に建設地を決定するとしています。

 米紙ワシントン・ポスト(二十日付)は、同発表について、「二十一世紀をとおして保持し続けることになるであろう二千二百発にのぼる核兵器配備の新装備(戦力)をつくりあげるための新たな措置に踏み出した」と報じました。

 ブッシュ政権は、「冷戦時の古くなりつつある約六千発の核弾頭を、今後数十年間保持できる、より小型で、より信頼性の高い核装備(戦力)にとりかえよう」としていると述べています。

 同紙は、「北朝鮮とイラン両国に対して、核兵器計画は核不拡散条約(NPT)違反だといい、それを中止させるための厳しい措置を同盟諸国にとるようせき立てている最中に環境評価が行われた」と指摘。NPT条約がよびかける「核クラブのメンバー諸国の核兵器装備の廃絶」には背を向け、新たな核開発へまい進するブッシュ政権の姿勢を批判しました。


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