2006年10月26日(木)「しんぶん赤旗」

6万人、退院迫られる

療養病床削減計画 日医が全国試算


 日本医師会(日医)は二十五日、記者会見し、医療改悪法に盛り込まれた療養病床削減計画が進んだ場合、「医療の必要度が低い」と分類される「医療区分1」の患者の約六割(六万人程度)が実際はケアが必要なのに退院を迫られるとする試算結果を公表しました。こうした人は医療、介護不足に陥りかねないと警告しています。

 国は、慢性的な症状の高齢患者が入院している療養病床を現在の三十八万床から二○一二年三月末までに介護保険型は全廃、医療保険型は十五万床に大削減する計画です。試算は全国約六千二百の医療機関を対象に、療養病床の患者の病状や退院後の受け入れ態勢などを調べた結果を基にしました(有効回答率は46%)。

 それによると、「区分一」の患者の中に、病状が不安定で引き続き医学的処置が必要な患者が約二割(全国換算で二万人程度)、退院が可能な病状でも独居だったり施設入所待ちとなるなど、すぐに介護が受けられない患者が約四割(同四万人程度)いました。

 同様の試算は同日の中央社会保険医療協議会でも提示。日医は診療報酬改定に伴う減収もあり、これら「医療難民」「介護難民」になりかねない患者を診療し続けるのは不可能として、国に医療区分の妥当性の見直しや在宅・施設介護サービスでの対応を求めています。


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