2006年10月25日(水)「しんぶん赤旗」

イラク政策見直し迫る

米中間選挙前に 有力議員から続々


 【ワシントン=山崎伸治】十一月の中間選挙を二週間後に控え、十月のイラクでの米兵犠牲者がすでに八十六人に達し今年最悪の月となるなか、ブッシュ政権は対イラク政策の見直しを迫られています。

 ホワイトハウスのスノー報道官は二十三日の定例会見で、イラク政策に関してブッシュ大統領がこれまで繰り返し使っていた「ステイ・ザ・コース」(方針を変えない)という言い回しを今後は使わないと表明しました。「(イラクで)何が起きているか、誤った印象を与える」というのが理由です。

 しかし、ことは言い回しの変更ですむ問題ではありません。イラク情勢の泥沼化は隠しようのない事実。ところがブッシュ政権は、そこから抜け出す方策を米国民に示しえていません。

 「われわれはあらゆる選択肢を考え直さねばならない」(ウォーナー上院軍事委員長)「米国民は米軍を内戦の真っただ中に置くような政策を支持し続けはしない」(ヘーゲル上院議員)―共和党の有力議員からも対イラク政策の見直しの声が相次いでいます。

 ブッシュ大統領は十一日の記者会見で、イラクが「自衛・自活・自治」できるようになるという「戦略目的を達成するため、われわれは常に戦術を見直している」と述べました。

 この見直しに関して二十二日付ニューヨーク・タイムズは、米政府が「武装勢力の武装解除」などの重要な段階の日程や、政治・経済・軍事での指標をイラク側に示し、同意を求めると報じました。

 これについてスノー氏は二十三日の定例会見で、ブッシュ氏がラムズフェルド国防長官、ペース統合参謀本部議長、アビザイド中央軍司令官、ハリルザド駐イラク大使らと協議していることを認めました。同時に、イラク政府に「予定表」を押し付けるものでも「最後通告」を突きつけるものでもないと述べました。

 対イラク政策については、ベーカー元国務長官らを議長とする超党派の「イラク研究グループ」も見直し作業を進めています。九月にはバグダッドも訪問し、イラク関係者とも懇談。「即時撤退」でも「ステイ・ザ・コース」でもない代案を提起すると予想されていますが、提言をまとめた報告書が出るのは中間選挙以降になるといいます。


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