2006年10月20日(金)「しんぶん赤旗」

ベトナム人口8300万人

全土解放後世代が63%

農村で男児出産望む傾向


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(写真)中部クアンガイ省の小学校=2005年3月16日(鈴木勝比古撮影)

 【ハノイ=鈴木勝比古】ベトナムの人口は毎年約百万人増加し、二〇〇五年に八千三百万人を超えました。一九七五年の全土解放以後に生まれた世代が63%を占めます。六十歳以上は9%です。ハノイの国民経済大学付属人口・社会問題研究所のグエン・ディン・クー所長が十七日、ベトナムの人口動態の特徴を明らかにしました。

 ベトナムは青少年人口の多い国です。ハノイやホーチミン市の街頭ではお年寄りの姿はちらほらです。九月の新学年開始時の発表では幼稚園から大学までの生徒・学生総数は二千二百万人です。ベトナムの総人口の四分の一にあたります。

 どの家族にも学校に通う子どもがいます。若い世代が多いのは活力の源ですが、一方では農村部に根強く残る男子優先の考え方から男女の均衡が崩れる傾向が出ています。

 クー所長によると、農村部を中心に男子を好む傾向が強く、お腹の子の性別が事前に判定できるようになったことから、男子の出産を優先するケースが増えています。

 男性と女性の人口は九九年には男性96・7に女性100の割合でしたが、ゼロから四歳では毎年男子の比率が増えています。農村地帯の紅河デルタは116対100、メコンデルタのアンザン省では128対100の割合です。

 クー所長によると、数年前に胎児の性選別を禁止する法令が出されましたが、まだ広く普及していません。「性別を決める食事法が宣伝されている」と嘆きます。

 ベトナムは依然として農村人口が多く、〇四年の都市人口は26・3%でした。地方の省では都市人口は10%以下です。


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