2006年10月19日(木)「しんぶん赤旗」

サラ金の高金利継続法案、背景には何が?


 〈問い〉 これだけひどい自殺者や保険までを食い物にするサラ金を守ろうとしているのはどんな人たちですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 臨時国会に提出される貸金業法改正案をめぐっては、世論・国会の良識派議員とサラ金派議員勢力との激しいせめぎ合いになっています。

 すでに世論と国会論戦で「グレーゾーン金利廃止」の方向が打ち出されていました。その後、サラ金派議員の巻き返しにより、世論や金融庁懇談会の議論を無視した「金融庁案」が出されましたが、あまりに露骨な業界寄りの「骨抜き」案だったため、世論のきびしい批判を浴びて論議は紛糾し、自民党は改正案「骨子」に退かざるを得なくなりました。

 しかし「骨子」は、グレーゾーンの廃止時期を事実上5年間温存して、最後の2年間に「少額・短期」融資で25・5%もの高金利特例を継続しました。また利息制限法の金利区分を変更して、上限金利を実質的に引き上げることにしています。これは恒久措置であり、多くの利用者の負担増に直結しサラ金業界を焼け太りさせる重大な改悪です。

 サラ金派議員は、議員連盟「被害者を出さない健全な消費者金融を考える会」(代表世話人・保岡興治元法相。幹事長・西川公也元内閣府金融担当副大臣)を結成し活動しています。サラ金業界は、政治団体「全国資金業政治連盟」(全政連)を使い、法改正に向け年々政界工作を強めています。公表された05年の政治資金収支報告書だけでも、自民党国会議員23人と各派閥や民主党のパーティー券を買い、公明党には多額の機関紙購入代を払っています。自民議員の中には、現職の大臣も含まれています。こうした政界工作が功を奏すれば、文字通り金で法案を買うことになり、断じて容認できません。

 もう一つは、金利規制緩和をせまる外資系金融機関など米国の圧力です。8月には、米シティグループなど有力金融機関が集まる「フィナンシャル・サービス・フォーラム」が、与謝野金融担当大臣(当時)らに、上限金利引き下げに反対する書簡を送りました。シーファー駐日米国大使も同大臣に面談するなど、高金利引き下げ阻止に動いています。

 これら内外の圧力に屈して、「命を担保に」した生命保険を食い物にするなど、人を自殺や破産に追い込み高金利をむさぼるビジネスをのさばらせることはできません。

 多重債務をなくすには、消費者、利用者保護の立場を貫き、一切の特例措置のないきっぱりとした法改正を実現するために、一層国民世論を大きく喚起する必要があります。(江)

 〔2006・10・19(木)〕


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