2006年10月19日(木)「しんぶん赤旗」

北朝鮮制裁

軍事的対応の動き批判

笠井氏追及に 外相“非軍事措置で効果”


 日本共産党の笠井亮議員は十八日の衆院外務委員会で、北朝鮮の核問題に対し、政府や自民党の一部で軍事対応を進めようとする動きがあることについて「安保理決議に反するものだ」と批判しました。

 笠井氏は、北朝鮮の核実験に対する国連安保理決議(十四日)に盛り込まれた、非軍事的な措置に限定した経済制裁の政治的重み、効果を質問。麻生太郎外相は「(同国との経済的な結びつきが強い)中国も含め制裁に賛成したことは、大きな成果を生むと思う」と述べ、非軍事的な措置による効果を認めました。

 笠井氏は、こうした措置を国際的に協調して行うことが大事だと強調。この点で、安保理決議が「緊張を激化させる可能性があるいかなる行動も慎み、六カ国協議の早期再開を促進する」と述べて、外交努力を求めていることを示し、政府の見解をただしました。

 麻生外相は「北朝鮮で軍がものすごい勢いで影響力を増しつつあると分析している。(北朝鮮が)追い詰められたから、ワーッとなる(暴発してしまう)のが、最も気になる」と答弁しました。

 笠井氏は、政界の一部に「緊張を激化させる可能性がある行動」=軍事的対応を求める動きが目立ち、麻生外相も「周辺事態」と認定し、自衛隊が船舶検査に踏み出す考えを述べたことを批判。麻生外相は、安保理決議に盛り込まれた「貨物検査」活動について「ただちに軍事行動というわけではない」と述べました。

 笠井氏は、国際社会が一致して、外交的・平和的解決を目指そうとしているときに、決議履行の先頭に立つ外相が、こうした発言をするのは「北朝鮮に誤ったメッセージを送るものだ」と批判しました。


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