2006年10月16日(月)「しんぶん赤旗」

環境壊す道路いらない

公害反対交流集会ひらく

“住民運動が先見性発揮”


 「道路行政の民主的転換を求めて」をスローガンに、三十二回道路公害反対運動全国交流集会が十四、十五の両日、東京都国分寺市の東京経済大学で開かれました。集会は、圏央道・高尾山トンネル工事の中止をもとめる特別決議と「ムダで有害な道路建設は必要ありません」と訴える集会アピールを採択しました。

 集会には、大気汚染公害などに苦しめられている被害者や住民運動団体のスタッフ、弁護士・研究者ら十都府県から約二百人が参加。暮らしと環境を破壊する道路建設反対運動や環境裁判のとりくみを交流しました。

 特別決議は「八王子城跡に圏央道トンネルを掘るにあたり、文化庁は国土交通省に『史跡に損壊がないこと』を工事許可の条件にしている。滝枯れは許可条件の重大な違反」として工事中止を求めました。

 集会アピールは、九月二十八日の東京大気汚染裁判の結審にあたり、東京高裁が『解決勧告』を言い渡しことは「被害者の救済制度を早急につくれということ」と指摘。環境を破壊する高速道路・大規模幹線道路建設がいぜん続いていることから、各地で行政への働きかけをいっそう強めようとよびかけました。

 十五日のパネルディスカッションでは、日本環境会議の寺西俊一・一橋大学大学院教授や淡路剛久・立教大学教授、橋本良仁・道路全国連事務局長らが、現在「都市再生」の名ですすめられる環境破壊を告発。数十年にわたる公害反対住民運動をふりかえり、道路行政が直面する課題などをあきらかにしました。

 寺西教授は、住民運動がいちはやく提起したことが、その後行政の常識になるような先見性をこれまで発揮してきたと強調。「公害被害者総行動三十年にあたる節目の年、道路政策の転換が迫られている」と指摘しました。淡路教授は「海外では、計画時に大型公共事業の情報を開示し、住民意見を聞く関係機関から独立した国家委員会もつくられている」と紹介。道路行政にも住民参加とチェック機能の制度化が必要だと訴えました。


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