2006年10月12日(木)「しんぶん赤旗」

ノルマで補導増やす

少年法改悪反対で学習会

警察関係者 実態を告発


 警察権限の拡大、厳罰化を内容とする少年法「改正」案に反対する学習会が十一日、衆院第二議員会館で開かれました。警察関係者の男性が、ノルマ達成のため補導数や検挙数を競っている現場の実態を告発。「厳罰化や監視の強化では少年の育成にならない」と訴えました。「子ども法・21」、日本キリスト教協議会、子どもと教科書全国ネット21など十の市民団体が主催しました。

 男性は、少年を補導して「補導票」をたくさん書けば警察官の評価が上がること、「去年より減らすな」とノルマをかせられて、補導や検挙の数を競わされていることを自身の体験を交えて紹介。「頭の中は補導票を書くことでいっぱい」になり、一晩に同じ子どもに対して何枚もの補導票が書かれている実態を指摘しました。

 暴走族の背後にある暴力団をきちんと取り締まろうと提言しても、担当者が暴走族を根絶やしにすると自分のポストがなくなるからと反対することもあったと語りました。

 調書の改ざんも簡単にできる状態にあるとし、十四歳未満の子どもを警察が取り調べることの危険性を指摘。「検挙数さえ上がればいいという警察では子どもの健全育成は無理」と語りました。

 学習会には日本共産党の仁比聡平参院議員、民主党、社民党議員も参加。仁比議員は自身が弁護士として少年事件にかかわった体験や、子どもたちの間でも格差が広がっている実態を語りながら警察の権限拡大の問題点を指摘。「審議入りするべきではないという立場で一緒に頑張っていきたい」とあいさつしました。


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