2006年10月11日(水)「しんぶん赤旗」

北朝鮮の核実験強行

周辺諸国と協調し対応

「包容政策」の見直しも

韓国


 北朝鮮の核実験実施発表をうけ、韓国政府は九日、国家安全保障会議(NSC)を開き、七項目にわたる政府声明を発表しました。声明は、北朝鮮の核実験を「決して許されない挑発的行為だ」と規定。北朝鮮のミサイル発射に対する七月の国連安保理決議や、昨年九月の六カ国協議共同声明、一九九一年の南北非核化宣言を一方的に破るものだとして「すべての責任は北朝鮮にある」と強く非難しました。

 尹太涼(ユン・テヨン)青瓦台(大統領府)スポークスマンは声明の発表で、「北朝鮮の核保有を許さないという原則に従って冷徹で断固として対処する」と強調。北朝鮮が、すべての核計画を破棄し、「国際社会の責任ある一員として国際規範を誠実に履行する」よう求めました。

 盧武鉉大統領は九日の記者会見で、「長期的には、朝鮮半島と北東アジアの安全保障上の脅威を招き、他の国家の核武装を刺激する、非常に危険な火遊びだ」と非難。今後の対応について「韓国政府が独自の措置をとるよりも、国内外の指導者と十分に意見を交換し、戦略的で調整された対応をとる」と述べました。

 北朝鮮の核実験表明は、対話による解決をめざしてきた韓国政府の外交政策にも難題を投げかけています。

 盧大統領は、「制裁と圧力という主張に対し、韓国が対話を強調しうる立場が失われた。韓国独自の役割が縮小する方に、事態が急変している」と述べました。

 その一方、同大統領は「今後も平和的解決、対話による解決を決してあきらめないが、このような状況で、かつてのように、北朝鮮が何をしても全部、受け入れるというようには、もはやできない」と述べ、政策の見直しを示唆しています。

 韓国の安保専門家は、「対北政策の基調は維持されるだろうが、政策の具体化の方式では変化があるのではないか」と指摘。開城公団事業など、政府関連の南北経済協力事業が、大きな困難に直面するとの見方を示しています。


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