2006年10月11日(水)「しんぶん赤旗」

北朝鮮核実験に抗議

世界から批判

安保理が緊急協議


 北朝鮮は九日、朝鮮中央通信などを通じ、地下核実験を実施したと発表しました。朝鮮半島の非核化と北朝鮮の核問題の平和解決をめざしてきた各国の世論と努力を真っ向から踏みにじる暴挙に日本国内、国際社会からは厳しい非難が上がっています。


 国連安全保障理事会は同日、緊急協議を開き、米国が国連憲章第七章(平和の脅威への対応)に基づく制裁決議案を提示しました。

 安倍首相は実施発表にたいし、「絶対に容認できない」と表明、国連安保理での制裁決議の採択をめざすとともに日本独自の追加制裁を速やかに発動する検討を始めました。

 韓国、中国、ロシア、米国や東南アジア諸国連合(ASEAN)各国、非同盟や中南米、欧州の諸国からも、世界とアジアの平和と安定への脅威だとの強い批判が出されています。

 朝鮮中央通信は「われわれの科学研究部門で地下核実験を安全に成功裏に行った」と伝えました。韓国政府によれば、北朝鮮北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)花台(ファデ)郡舞水端里(ムスダンリ)の西方約五十キロの金策市周辺で九日午前十時三十五分(日本時間同)、マグニチュード(M)3・58―3・70規模の人工的な地震が探知されました。韓国、日本、米国など各国は、核実験が行われたかどうかの確認作業をすすめています。

 北朝鮮は昨年九月の中国、韓国、日本、ロシア、米国との第四回六カ国協議の共同声明で、「朝鮮半島の検証可能な非核化実現」に合意していました。しかし、米国による金融制裁解除を求め、昨年十一月以降、六カ国協議への出席を拒否。今年七月にはテポドン2号を含むミサイル七発を発射し、十月三日には核実験予告声明を発表していました。

 これにたいし、国連安保理事会は七月にミサイル発射についての北朝鮮非難決議、十月六日には核実験をしないよう求める議長声明を採択しています。

国際社会が一致して対応を

志位委員長が談話

 日本共産党の志位和夫委員長は九日、北朝鮮政府が核実験をおこなったと発表したことについて、党本部で記者会見し、次の談話を発表しました。

 、北朝鮮政府は、九日、核実験を強行した。これは、国連安保理決議、安保理議長声明などが、世界とアジアの平和と安定への脅威として、一致して反対した国際社会の意思を無視したものである。また、六カ国協議や日朝平壌宣言などの国際取り決めを蹂躙(じゅうりん)する暴挙である。わが党は、これにきびしく抗議する。

 、わが党は、北朝鮮政府にたいし、核兵器および核兵器開発計画を放棄すること、即時・無条件で六カ国協議に復帰することを強くもとめる。

 国際社会が、この事態にさいして、一致協力して対応し、問題の平和的・外交的解決という立場を堅持してのぞむことが大切であると考える。


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