2006年10月1日(日)「しんぶん赤旗」
米軍のパトリオット装備品
那覇軍港に陸揚げ
市民ら抗議
沖縄県の米空軍嘉手納基地・嘉手納弾薬庫地区に配備される地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の装備品や米陸軍部隊が使用する大型車両などの第一陣が三十日午前、那覇市の那覇軍港ふ頭に陸揚げされました。作業中、市民団体のメンバーらが「沖縄への配備を許さない」と抗議しました。
作業は午前八時ごろから始まり、輸送船から車両やコンテナが次々に運び出されました。装備品は車両約五百台分にもなります。
PAC3の沖縄配備は米軍再編の最終合意に基づき、日米両国政府が今年七月に発表。すでに米テキサス州フォート・ブリス陸軍基地から一部兵員が嘉手納基地に配備されています。米軍は十二月末までに一部運用を開始するとしています。
PAC3はミサイル防衛(MD)システムの一環で、日本国内への配備は初めて。嘉手納基地にはPAC3と対航空機・巡航ミサイル用の迎撃ミサイル(PAC2)が計二十四基配備される計画です。
配備をめぐっては、嘉手納基地を抱える沖縄市、嘉手納町、北谷町の三自治体が「基地機能の強化だ」として反対を表明しています。
現場で監視活動を行っていた沖縄県平和委員会の大久保康裕事務局長は「防御と攻撃は一体のもので、今回の配備で防御能力が高まれば、先制攻撃の敷居が下がる。嘉手納基地の攻撃性をより強化するもので、許されない」と批判しました。