2006年10月1日(日)「しんぶん赤旗」

車力基地 大幅拡張へ

防衛庁 米軍新レーダー配備で

青森


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 在日米軍再編の一環として米軍が「ミサイル防衛」用の新型レーダー(Xバンド・レーダー)を航空自衛隊の車力基地(青森県つがる市)に配備したことに伴い、防衛庁が同基地を大幅に拡張しようとしていることが、三十日までに分かりました。

 Xバンド・レーダーが車力基地(九十一万五千平方メートル)に配備されたのは、今年六月。同基地のC地区と呼ばれる区域内の北側(約六万三千平方メートル)が「暫定的展開場所」とされました。C地区は、空自地対空ミサイル部隊(第二一高射隊)が展開する地域です。

 政府はその後、同レーダーの「長期的展開場所」として、C地区内の西側(約七万二千平方メートル)を米側に提供しました。しかし米側が、十二月末までを期限としている「暫定的展開場所」を返還するかどうか、今も決まっていません。

 このため防衛庁は、空自の地対空ミサイル部隊の運用に支障が出るとして、新たに約十七万一千平方メートルを代替用地として取得し、基地を拡張する計画です。東京ドームの約三・七倍の広さにあたります。

 内訳は、訓練場用地約四万三千平方メートル、ミサイル発射機の展開用地約七万二千平方メートル、ヘリパッド(着陸帯)用地約五万六千平方メートルです。

 つがる市によると、今年夏、仙台防衛施設局から、C地区南側にある市有地の提供を求める可能性について非公式な形で話があったといいます。しかし正式な連絡はいまだありません。

 一方で防衛庁はすでに、来年度予算の概算要求で、基地拡張のために、土地の取得費など約二億三千万円、関連施設建設費約五億六千万円の計約八億円を計上しています。

 米軍が推進する「ミサイル防衛」は、相手の弾道ミサイルを迎撃することで、報復の心配なく先制攻撃を可能にするシステムです。Xバンド・レーダーは、弾道ミサイル探知用です。


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