2006年9月29日(金)「しんぶん赤旗」

庶民大増税 なぜなぜ問答

財源論編 17

Q 安倍新内閣で消費税はどうなる?


 安倍晋三氏が総理大臣に選ばれ、新内閣が発足しました。このもとで、消費税をめぐる情勢はどうなるのでしょうか。

増税布陣

 小泉前首相は、「任期中は消費税を上げない」といっていましたが、安倍氏は総裁選中の日本記者クラブでの討論会で、消費税増税について小泉氏以上に踏み込んだ発言をしています。「二〇〇九年には基礎年金の国庫負担引き上げの財源が必要」ということを口実に、来年の秋から消費税増税の議論をはじめるというのです。黙っていれば、〇八年の国会にも増税法案が提出される可能性があります。

 安倍氏の消費税増税にかける意欲は、新内閣の顔ぶれにもあらわれています。

 財務相の尾身幸次氏は、科学技術相時代に「消費税率を10%に」と主張した人物。厚生労働相の柳沢伯夫氏は自民党の税制調査会長を務めた、自民党内の消費税増税論者のリーダー的存在です。「消費税率を13%に引き上げ社会保障費に充当すべし」(『週刊金融財政事情』三月六日号でのインタビュー)と主張しています。

格差当然

 安倍氏は、著書の中で「構造改革がすすんだ結果、格差があらわれてきたのは、ある意味で自然なこと」(『美しい国へ』)と述べ、格差を当然視しています。

 小泉内閣のもとで、国民には年間五兆円もの増税がおしつけられ、空前の利益をあげている大企業や大資産家には、三兆円近い減税が行われてきました。安倍内閣は、消費税増税をねらう一方で、大企業にはさらに来年度にも減税を上乗せしようとしています。

 これでは、格差がますます広がるばかりです。

 安倍氏が消費税について「来年秋から議論」というのは、来年の参議院選挙で消費税が問題になるのを避けたいからです。選挙が終わったら、すぐにも増税を具体化しようというのです。

 こんなことを許してはなりません。参院選挙に向けて、消費税問題を大争点にしていくような国民的運動が必要です。(つづく)


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