2006年9月20日(水)「しんぶん赤旗」

トヨタ系企業

偽装請負の告発者“解雇”

愛労連 愛知労働局に指導要請へ


 労災隠しと偽装請負を告発した青年が、偽装を摘発された発注企業から継続雇用をはずされる事件が起きました。愛労連(愛知県労働組合総連合)が十九日明らかにしました。同労連は、近日中に愛知労働局に、告発者への不利益扱いだとして、指導を要請します。

 青年、Kさん(21)は、トヨタ自動車の部品会社「トヨタ車体精工」(TSK、愛知県高浜市)の工場で三月、全治四週間のけがをしました。しかしTSKと、Kさんを雇用する派遣会社「大起」は、労災の報告を怠りました。

 Kさんの告発で、実態は労働者派遣なのに請負契約を装う偽装請負がTSKで行われていたことも判明し、愛知労働局が改善を指導。TSKは大起との契約を八月一日付で請負から派遣に切り替えました。Kさんは六月にもけがをし、完治せず休業中でした。

 大起は八月末に破産手続きを開始。解雇された従業員は、発注元のTSKが、大起からの推薦者を契約社員として継続雇用することを明らかにしました。しかし、Kさんと同居人のHさん(20)は排除され、八月末で解雇に。会社の寮からも退去させられました。賃金も一部未払いのままです。

 北海道から愛知に働きにきた二人は、現在住居もなく、アルバイトで食いつなぐ状況。Kさんは労災休業中で解雇は無効です。

 Kさんは「僕は泣き寝入りはしない。ばかにするなと言いたい」と話しています。

 現在、大起とは連絡が取れない状態で、TSK側はKさんの不採用について「大起が推薦しなかった」と、責任を大起に押しつける態度です。


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