2006年9月14日(木)「しんぶん赤旗」
世田谷国公法弾圧事件公判
通報させた警官証言
東京地裁
休日に職務と無関係な場所で「しんぶん赤旗」号外を配った厚生労働省職員の宇治橋眞一さん(58)が、住居侵入だとして逮捕され、国家公務員法違反で不当に起訴されている事件の第五回公判が十三日、東京地裁(小池勝雅裁判長)で開かれ、宇治橋さんを制止した東京・世田谷区の集合住宅の住人の警察官が、弁護側の反対尋問を受けました。
ビラの投かんを見つけた住人の警察官は国井良親警部補。証言によると、同警部補はビラを配布する宇治橋さんを見つけ、ビラが日本共産党のものだと確認。しばらく観察を続けたあと、声をかけ、「やめます」と言い敷地外に出ようとした宇治橋さんを両手を広げて制止し、人を呼んで一一〇番通報させました。
同警部補は、制止などをした理由を「昼間に年配者がビラを配るのは不審」「リュックサックが軽くふくらんでいて、爆発物ではないかと思った」「テロやゲリラの不安を持った」などと証言。
一方で、警察官が現場に到着したのに所持品検査を求めることは「しなかった」とのべたり、宇治橋さんが結局ビラを配っただけだったのは「予想通りだった」などと証言しました。
また、「無断で立ち入ったのは住居侵入」などと断じながら、敷地内の立ち入り許可をだれが出すのかや、当時の管理人がだれかは「知らなかった」と証言しました。
公判では、通報者の供述調書を作成した世田谷署公安係の警察官も証言しました。