2006年9月14日(木)「しんぶん赤旗」
東京・日の出町ごみ最終処分場
基準超汚染認めず
住民敗訴 シート破損は認める
東京都日の出町にある二つの一般ごみ最終処分場について、周辺住民ら約百六十人が「有害物質が漏れ出し周辺環境を汚染している」として、処分場を管理する「東京たま広域資源循環組合」(二十五市一町で構成、管理者・石川良一稲城市長)に対し、操業差し止めなどを求めた訴訟の判決が十三日、東京地裁八王子支部でありました。小野剛裁判長は汚水が流出した可能性を認めたものの、「環境基準を超える汚染があるとは認められない」として、住民らの訴えを棄却しました。
判決は「処分場から焼却残さ(かす)が周辺環境に飛散している可能性がある」「谷戸沢処分場で一九九〇年ころから遮水シートなどが破損し、そこから浸出水が流出し地下に浸透している可能性がある」と指摘。住民が追及してきた点を一部認めました。
しかし、ダイオキシン類や重金属による汚染については、「処分場が周辺に環境基準を超えるダイオキシン類、重金属の汚染をもたらしているとも、将来もたらす蓋然(がいぜん)性があるとも認められない」として、住民らが求めた処分場の操業停止や汚染土壌の除去などを退けました。
この問題は、谷戸沢処分場(九八年埋め立て終了)で九二年、遮水ゴムシートの破損による地下水の汚水漏れが発覚したことから、住民らが水質データの開示と安全対策を求め追及してきました。住民らは九五年に同訴訟を起こし、二ツ塚処分場ではトラスト運動地を設けましたが、循環組合(当時は三多摩廃棄物広域処分組合)が二〇〇〇年、強制収用しました。

